運送業向けERP(基幹システム)おすすめ7選を比較!機能から導入メリットまで解説
受注から配車指示、運転日報などの集計に至るまで、運送業にはさまざまな事務作業があります。請求書の発行までを含めると、事務作業が負担に感じてしまい、業務を効率化できないか頭を悩ませている方も少なくありません。
そこで、近年では運送業向けのERP(基幹システム)を導入して業務を効率化する事例が増加傾向にあります。
この記事では、運送業向け基幹システムとは何か、4つの機能から導入するメリット、選ぶときのポイントまで解説します。厳選した運送業向け基幹システム7選についても紹介しますので、あわせてご参照ください。
運送業向けERP(基幹システム)とは
運送業向けERP(基幹システム)とは、運送業の業務効率化と経営改善を支援する統合システムです。受注管理・配車管理・在庫管理・請求管理など、運送業の多岐にわたる業務プロセスを一元管理できる魅力があります。
基幹システムを導入すれば、データのやり取り・共有を効率化できるため、手作業によるミスや情報の不整合を減らして業務の自動化を促進できるのが特長です。コストの削減や企業としての競争力強化につながるなど、近年では運送業向けの基幹システムを導入する企業が増えています。
基幹システムとは?ERPや業務システムとの違い・導入メリットまで徹底解説
運送業に必要なERP(基盤システム)の4つの機能
一口にERP(基幹システム)と言っても、すべての製品が運送業向けに最適化されている訳ではありません。運送業界で活用するためにも、基盤システムに搭載されている機能のチェックをおすすめします。
運送業に必要なERP(基盤システム)に求められる機能は以下の通りです。ここでは、運送業に必要なERP(基盤システム)の4つの機能を解説します。
1. 配送ルートの計画と最適化 2. 荷物の追跡と在庫管理 3. 車両管理と燃料消費量の追跡 4. 商品の受発注と在庫レベルの管理 |
1. 配送ルートの計画と最適化
運送業向け基幹システムにおいて、「配送ルートの計画と最適化」を行える機能は欠かせません。AIなどのアルゴリズムを活用して効率的な運送ルートを自動生成し、燃料費や人件費といったコスト削減を実現できる機能です。
運送先を効率よく回るルートを提示できるため、移動距離や時間を短縮できます。運送に掛かるコスト削減だけでなく、ドライバーの負担軽減やCO2排出量削減も実現できるため、「運送ルートの計画・最適化」の機能は、運送業向け基幹システムにおいて非常に大切です。
また、旅客自動車運送事業やタクシーなど顧客を直接相手にするサービスにおいても、配送ルートがAIにより最適化されることで、顧客が納得の行くサービスを提供しやすくなります。
2. 荷物の追跡と在庫管理
運送業向け基幹システムを活用すれば、荷物の追跡や在庫管理をリアルタイムで行えます。いつ、どのドライバーが何の荷物を運送しているのか、GPSを通してリアルタイムで把握できるのが特徴です。
また、特定の取り扱いがセンシティブな荷物の追跡・管理にも役立ちます。たとえば、温度管理が重要な薬品や食品を配送する際、基幹システムで一連のフローを管理すれば、コールドチェーン(低温物流)が途切れることなく運送を行えます。
冷凍・冷蔵品の劣化を防いで運送できるため、適切な品質管理の実現や顧客満足度の向上を期待できるのもポイントです。
3. 車両管理と燃料消費量の追跡
運送業向け基幹システムには、各車両のメンテナンススケジュールや燃料消費量を管理できる仕組みがあります。各車両の稼働率をチェックして車両の状態や燃費を把握できるため、理想的なタイミングでメンテナンスを行えるのがポイントです。
車両の故障によるダウンタイムやトラブルのリスクヘッジを行えます。また、各車両の燃費消費量の把握によって運転方法の改善を促せるのも特徴です。
車両の寿命を延長するだけでなく、燃料費削減につなげられるなど、総合的なコストカットに貢献します。
4. 商品の受発注と在庫レベルの管理
運送業向け基幹システムを活用すれば、商品の受発注や在庫レベルの管理も効率化できます。受注情報・在庫状況を連携すれば自動的に発注・出荷指示を作成できるのがメリットです。
その結果、在庫不足による欠品や、過剰在庫による保管コストの増加を防げます。自社倉庫を抱えている物流運送業など、保管や仕分けを行っている事業者には便利な機能です。
運送業向けERPシステム(基幹システム)導入のメリット4選
運送業向けのERPシステム(基幹システム)には、大きく分けて以下4つの導入メリットがあります。ここでは、運送業向け基幹システムを導入するメリットについてそれぞれ解説します。
1. 業務プロセスの効率化 2. リアルタイムなデータ可視性 3. 顧客サービスの向上 4. 規制やコンプライアンスへの対応 |
1. 業務プロセスの効率化
基幹システムを導入すれば、業務プロセスが効率化され、時間とコストを削減できるのがメリットです。従来は手作業で行っていた受注管理・配車管理・請求書作成などの業務も、基幹システムによって自動化できるのが特長です。
たとえば、受注情報をシステムに入力するだけで、自動的に配車計画が作成され、請求書も自動で発行されます。そのため、従業員の負担軽減やヒューマンエラーの削減に繋がり、より付加価値の高い業務に集中できます。
2. リアルタイムなデータ可視性
基幹システムを導入すれば、リアルタイムで更新されるデータによって可視化を可能にし、経営判断の迅速化を実現できます。在庫状況、配送状況、売上などの情報を一元管理し、ダッシュボードで簡単に確認できるのがメリットです。
たとえば、在庫不足や配送遅延などの問題を早期に発見し、迅速に対応できます。そのため、顧客満足度の向上や機会損失の防止に繋がり、経営の効率化を実現できます。
さらに、ドライバーごとの収支を追えるようになるため、個々の業績に応じた業務給を還元しやすくなるのもポイントです。ドライバーの意欲向上に役立ち、部署全体の業績アップも見込めます。
3. 顧客サービスの向上
運送業向け基幹システムを導入すれば、顧客サービスの質を向上させられるのは大きなメリットです。配送状況をリアルタイムで把握し、顧客に正確な情報を提供できます。また、荷物の追跡も容易に行えるため、貨物の破損などのトラブルに対して、迅速かつ適切な対応が可能なメリットもあります。
また、運送業に基幹システムを用いることで各業務プロセスが効率化されるため、人的ミスや運送遅延といったトラブルを低減できるのもポイントです。安定したサービスを提供することで、顧客の満足度を高めてリピーター獲得や売上向上につなげられます。
4. 規制やコンプライアンスへの対応
近年では労働基準法などさまざまな法規制・コンプライアンスの遵守が求められています。運送業向けの基幹システムには、勤怠管理を含む必要な情報を記録・管理できる仕組みが搭載されています。
そのため、労働時間管理や車両運行管理などの法規制を遵守できるのがメリットです。労働環境の改善によって安全運行を確保しやすくなりコンプライアンス違反による罰金や風評被害などのリスクを軽減できます。
運送業向けERP導入時に考慮すべきポイント
一口に運送業向けERP(基幹システム)といっても、その実態はさまざまです。導入効果を最大化するためにも、自社に合ったERPシステムを導入する必要があります。
具体的に考慮すべきポイントは以下の通りです。ここでは、運送業向けERP導入時に考慮すべきポイントについて解説します。
・自社のニーズを理解する ・ベンダーの信頼性を確認する ・セキュリティとコンプライアンスを確認する ・柔軟性と拡張性のあるシステムを選定する |
自社のニーズを理解する
ERPの導入を成功させるには、まず自社の業務プロセスや課題を明確にしたうえで、必要な機能・要件を洗い出す取り組みが大切です。基幹システムは多種多様のため、自社のニーズに合わないシステムを選んでしまうと導入効果を得られなくなってしまいます。
たとえば、自社が抱える課題が配車管理の効率化であれば、配車計画の自動作成やリアルタイムな車両位置情報の把握機能が搭載されているかチェックすることが大切です。自社倉庫を抱えた物流業であれば、受発注や在庫レベル管理も行える基幹システムが理想的だと言えます。
自社のニーズを理解したうえで、運送業向け基幹システムの中から自社にあった製品を選ぶことが大切です。
ベンダーの信頼性を確認する
基幹システムを導入するときは、ベンダーの信頼性も非常に大切です。言葉通り、基幹システムは企業の基幹業務を支えるシステムのため、万が一のトラブルが起きると業務全般がストップしてしまうおそれもあります。
そのため、スピーディなサポート体制や、システムトラブルが起きないよう定期的なシステムアップデートを行ってくれるかなど、ベンダーの能力を比較検討する必要があります。
導入前に複数のベンダーを比較したうえで、運送業向け基幹システムの導入実績や評判、サポート体制などを確認することが大切です。
セキュリティとコンプライアンスを確認する
運送業向け基幹システムでは、顧客情報や企業の機密情報を取り扱うケースもあります。そのため、セキュリティやコンプライアンスの確認が必要不可欠です。万が一のトラブルで情報漏洩や不正アクセスなどセキュリティインシデントが発生した場合、企業としての信頼を失ってしまうおそれがあります。
また、多大な損害を被る可能性もあるため、アクセス権限管理やデータ暗号化などセキュリティ対策が施されているかどうか確認することが大切です。法規制に則ったセキュリティか、自社コンプライアンスを満たせるかなど、十分な対策が講じられているかチェックするのをおすすめします。
柔軟性と拡張性のあるシステムを選定する
将来の事業拡大や業務の変化に対応するためには、柔軟性と拡張性のあるERPシステムを選ぶことが重要です。システムが柔軟で拡張性がない場合、将来的な変更や追加に対応できず、システムの再構築が必要になる可能性があります。
たとえば、オンプレミス型の基幹システムであれば、必要な機能を随時追加したり、利用規模にあわせて柔軟に拡張したりできます。事業計画に応じて柔軟に機能を拡張しやすいため、将来的にも長く活用するERPを探している場合は、柔軟性・拡張性のある基幹システムがおすすめです。
基幹システムと連携して営業DXを実現するならGENIEE
GENIEE SFA/CRMは、運送業における営業課題解決に特化したクラウド型の顧客管理システムです。顧客情報の一元管理や営業活動の可視化、業務効率化など、運送業の営業部門に必要な機能を網羅しています。
そのため、GENIEE SFA/CRMを運送業向け基幹システムと連携させれば、顧客情報や受注情報をシームレスに共有し、営業活動の効率化や顧客満足度の向上を実現できるのが魅力です。運送業の営業DXを推進して競争力を強化したいとお考えの方は、ぜひGENIEE SFA/CRMのご利用をご検討ください。
SFAとCRMを兼ね備えた国産営業管理ツール「GENIEE SFA/CRM(ちきゅう)」
運送業向けERP(基盤システム)おすすめ7選比較
製品名 | 機能 | 費用 | 特徴 | 会社名 |
コムトラックシステム | ・配車受注 ・運行 ・売上 ・請求 ・支払管理 | ・LIGHT EDITION 11,000円/月額 ・REPORT EDITION 33,000円/月額 ・FULLPACKAGE EDITION 52,800円/月額 | ・クラウド型 ・会計ソフト連携 ・カスタマイズ可能 ・一般貨物や軽貨物運送業に特化 | 株式会社IXOL |
トラックメイトPro4 | ・売上 ・請求 ・配車 ・車両管理 | ・スタンダード 935,000円~/初期費用 ・WAN 2,255,000円~/初期費用 ・クラウド 110,000円/初期費用 20,900円~/月額 | ・クラウド型 ・豊富な機能 ・カスタマイズ可能 ・ドラレコやアルコールチェッカーなど他製品も展開 | 株式会社タイガー |
Good Truck | ・請求書支払管理 ・労務管理 ・運行管理 | 無料/初期費用 ・体験プラン 無料/月額 ・エントリープラン 10,000円~/月額 ・ベーシックプラン20,000円~/月額 ・スタンダードプラン 30,000円~/月額 | ・クラウド型 ・2024年問題対応 ・中継輸送対応 | GT合同会社 |
DiSynapse | ・運行管理 ・労務管理 ・受注管理 ・点呼記録 | ・DiSynapseKT 1,202300円~ ・DiSynapseKT2 1,818,300円~ ・DiSynapseDT 1,387,300円~ | ・運送業界に必要なあらゆる情報の総合管理システム ・カスタマイズ可能 | 株式会社情通 |
Transport | ・配車計画 ・運行管理 ・請求書発行 ・売上推移 ・車両別の経費や差益率など | 要問い合わせ | ・クラウド型 ・運送業向けに特化しており拡張性が高い ・導入250社以上の実績 | 株式会社エコシステムズ |
ここでは、運送業向けERP(基盤システム)おすすめ7選の特徴をそれぞれ解説します。
コムトラックシステム
コムトラックシステムは、株式会社IXOLが提供する運送業向けのクラウド型ERPシステムです。配車受注、運行、売上、請求、支払管理など、一般貨物や軽貨物運送業に特化した機能を備えています。
会計ソフトとの連携やカスタマイズが可能で、業務効率化に貢献します。月額11,000円からのLIGHT EDITIONから、フル機能を備えた52,800円のFULLPACKAGE EDITIONまで、ニーズに合わせた3つの料金プランが用意されています。クラウド型のため、初期投資を抑えつつ、柔軟な運用が可能な点が特徴です。
トラックメイトPro4
トラックメイトPro4は、株式会社タイガーが提供する運送業向けのERPシステムです。売上、請求、配車、車両管理などの機能を包括的にサポートし、運送業務の効率化を実現する機能が満載です。
オンプレミス型で提供されており、初期費用は93.5万円からとなっています。一方でクラウド型は初期費用が11万まで抑えられており、月額約2万円代から利用することが可能です。運送業の複雑な業務フローに対応するための柔軟性が高い点が魅力です。
Good Truck
Good Truckは、GT合同会社が提供する運送業界向けのクラウド型基幹システムです。請求書支払管理、労務管理、運行管理などの機能を備えており、バックオフィスからドライバーの業務効率化まで行えます。
2024年問題に対応した中継輸送機能を搭載し、複雑な運送業務にも対応可能です。リアルタイムでの拘束時間管理により、労務管理の適正化を支援します。クラウド型のため初期投資を抑えられ、法改正などの環境変化にも迅速に対応できるのが魅力です。
DiSynapse
DiSynapseは株式会社情通が提供する運送業向けの基幹システムです。運行管理、労務管理、受注管理、点呼記録など、運送業務に必要な機能を総合的に管理できます。システムの特徴として、カスタマイズ性が高く、各企業の業務プロセスに合わせた調整が可能です。
また、総合管理システムとしての性質上、運送業務を一元的に管理できるため、情報の一貫性を保って意思決定の迅速化や業務の効率化につながります。DiSynapseなら、運送業の複雑な業務フローを効果的に管理し、企業の生産性向上を支援するシステムとして活用できます。
Transport
Transportは、株式会社エコシステムズが提供する運送業向けのクラウド型基幹システムです。主な機能として、配車計画、運行管理、請求書発行などがあります。クラウドベースのため、初期投資を抑えつつ柔軟な運用が可能です。
リアルタイムで車両位置情報の把握や効率的な配車計画の立案が可能で、業務の効率化とコスト削減を実現します。また、データ分析機能により、運送業務の最適化や意思決定の支援も行えるのが魅力です。
Cariot
Cariotは、株式会社フレクトが提供する運送業向けのクラウド型基幹システムです。主な特徴として、車両位置情報のリアルタイム追跡、運転日報の自動生成などが搭載されています。
また、危険運転を自動で記録する仕組みもあり、ドライバーの安全管理を強化することが可能です。安全運転を促して安定した運送を行えるため、業務品質を高められます。
シュウカン
シュウカンは、MICKS株式会社が提供する運送業向けの業務管理システムです。運行管理、ドライバー管理、支払請求管理、人事情報管理などの機能を備え、運送業務の効率化を支援します。
クラウド型で提供されており、PCだけでなくiPhoneやiPadからも操作可能です。カスタマイズ性が高く、企業の特定の業務プロセスに合わせた調整も行えます。また、導入後もベンダーの直接サポートを受けられるため、スムーズな運用がしやすいメリットもあります。
まとめ
運送業向けERP(基幹システム)は、受注管理、配車管理、在庫管理、請求管理など、運送業の多岐にわたる業務プロセスを一元管理できるシステムです。配送ルートの最適化や荷物の追跡、車両管理や商品の受発注管理など、運送業を効率化できる機能を多数搭載しています。
とはいえ、一口に運送業向け基幹システムといっても多種多様な種類が登場しているのも事実です。そのため、自社のニーズを理解したうえで、求めている機能が搭載されているか、機能の拡張性やベンダーの信頼性などを含めて比較検討するのをおすすめします。
運送業の基幹システム導入にあわせて営業部門の業務DX化も検討されている場合は、ぜひこの機会に「GENIEE SFA/CRM」の導入をご検討ください。定着率99%を誇るシステムで営業DXを促進し、企業としての成長力を高められます。
また、柔軟なカスタマイズ性を誇り、運送業向け基幹システムと連携させることで顧客情報や受注情報をシームレスに共有することも可能です。営業活動の効率化を通して、顧客満足度の向上も実現できます。
興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。