ダイレクト・ヒアリングがもたらす価値の高い新規顧客分析

2015.12.11 / 営業ノウハウ 

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営業戦略の策定と見直しには新規顧客分析が非常に重要です。 (関連記事)
そして、新規顧客分析の中でもひときわ情報価値が高いのが、直接対面によるヒアリング(ダイレクト・ヒアリング)です。できるだけ多くの顧客を訪問するほどその情報価値は高まります。

ここでは、「なぜダイレクト・ヒアリングの情報価値が高いのか?」「ダイレクト・ヒアリングで有益な情報を的確に得るにはどうすればいいか?」についてお話しします。

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ダイレクト・ヒアリング 5つのメリットと3つの付加価

数あるマーケティングリサーチのなかでも、ダイレクト・ヒアリングの情報価値はひときわ高いです。この手法を活用すると、次の5つのメリットが得られます。

A. 新規顧客が製品/サービスに満足している点、不満な点などを個別に洗い出せる
B. 顧客がふだん言葉に出さない、潜在的なニーズの掘り起こしができる
C. 顧客が自社および自社製品をどのように考えているのか、大体のニュアンスがつかめる
D. 話の流れによっては、想定外の情報が得られることもある
E. 追加の質問が派生してもその場で質問できる

ヒアリングで得られたこれらの情報を分析することで、より効率的な見込み顧客の絞り込みやターゲット層によって使い分けるべき戦術の違いといった営業戦略の策定・見直しに役立てることができます。また、自社の商品開発/改良、機能のキュレーション(機能の付加または削除、統合など)などにも役立つことができます。

さらに、ダイレクト・ヒアリングには、次のような3つの付加価値にも期待できます。

a. 新規顧客との濃密な接触機会が得られ、人間関係(ロイヤルティ)の形成に役立つ
b. 顧客に数多く接するうちに、マーケット感覚(市場を直感的に把握するセンス)が養われる
c. ほかの商談や商材にも使える「導入事例」を集められる

せっかく貴重な時間を割いて客先に伺うのですから、新規顧客との結びつきを深め、ビジネスに対する直感力や洞察力を高められる機会としてその場を有意義に活用したいものです。

 

新規顧客分析のためのヒアリング手法

新規顧客分析のためのヒアリング手法

ダイレクト・ヒアリングでは、「顧客との関係を深め、必要な情報を引き出す」ために、目的を意図した効果的なコミュニケーションが必要です。ヒアリングの対象者は顧客の経営トップが理想的ですが、経営者が直接商品にタッチしていないような場合は、商品を購入した際の決裁権者や実際に商品を使用している担当者にヒアリングをすることになります。

また、実務担当者と部門長などといった、異なるポジションの方に同時に話を伺っても興味深い情報が得られるかもしれません。ただし、それぞれのポジションに応じて質問内容や質問のしかたを変えるべきでしょう。
顧客に対して「どんなニーズがありますか?」と直接質問しても、望むような情報が得られることは稀です。顕在化している具体的なニーズがあれば、顧客はすでにそれを手に入れようとしているはずです。また、それを求めてあなたの会社から商品やサービスを購入したのかもしれません。新規顧客に継続的購入やアップセリングを期待したいのであれば、「提供した商品/サービスはどのように使われているのか? それは期待に沿った働きをしているか?」といったアフターフォローのような会話の流れから、

  • 「こんなことができたらもっといいのに」という追加要求
  • 「この機能は想像以上に便利だった」という評価
  • 「この機能は思ったほど役に立たなかった」という失望
  • 「こういう使い方ができるかと思ったがダメだった」といった期待外れ
  • 「うちではこの機能をこんな風に使っている」といったアレンジのヒント

などを聞き出すことができるでしょう。

重要なのは、「こちらが聞きたいことを聞く」という自己本位な姿勢を捨て、あくまでも顧客の立場に立って、「話したいことを話しもらう」というスタンスです。

質問に対して答える一方では話が膨らみません。話が盛り上がれば、連想的に「そういえばこんなこともあった」と思い出しながら、多くの情報を語っていただけるでしょう。

また、ヒアリングの前に「御社にはこのようなニーズがあるのでは?」「このような不便さを感じているのでは?」といった仮説を立て、それを相手にぶつけてみることも有効です。仮説は、それが相手の立場になって立てられたものであれば、当たっていても的外れであっても構いません。「はい、そのとおりです。実は…」と肯定的に詳細を話してもらえる場合もあれば、「いいえ、それはありません。あるとしたら…」といったように、こちらでは想定できないような意外な情報を得られる可能性もあるからです。

 

ヒアリングシートを作成する

ヒアリングシート

ヒアリングシートとは、ニーズを的確に聞き出すために用意する質問リストのことです。ヒアリングはヒアリングシートを見ながら進めますが、回答に調査や準備が必要な質問、あるいは熟考していただきたい質問などが含まれる場合には、あらかじめ数日前に先方にヒアリングシートを渡しておく場合もあります。
また、ヒアリング当日に回答してもらうのではなく、メールやFAXなどであらかじめ回答を文書化したものを受け取っておき、当日はその回答に沿ってさらに深掘りしていくといったヒアリング方法もあります。質問項目はできるだけ具体的な回答が得られるように工夫し、また、なるべく必要な項目だけに絞り込みましょう。「御社のビジョンは?」など、Webサイトを見ればわかるような無駄な質問は省きます。
ヒアリングシートの制作が間に合わない場合、事前に最低限で結構ですので、ヒアリング内容を事前に伝えておくだけでも、効果的です。あまり質問を詰め込み過ぎると、回答に追われてコミュニケーションがぎこちなくなり、自由な発言やアイデアが生まれる妨げになります。脱線しすぎたら本題に引き戻すべきですが、ある程度は会話のサプライズを大切にしましょう。

ヒアリングシートを作成する際には、ExcelやCRMツールでの管理を考慮すると、分析がしやすくなります。

 

回答データの分析方法

ダイレクト・ヒアリングで得られた回答は、自社の営業戦略や商品力向上に役立つ形になるようにデータ分析する必要があります。そこで、ダイレクト・ヒアリングで得られた情報を新規顧客分析として役立てる方法を紹介します。

 

a. 行動トレンド分析

行動トレンド分析とは、顧客が自社や自社商品の存在を知ってから購入に踏みきるまでの、「認識→アクション」の流れに着目し、そこから一定のトレンドを読み取る分析方法です。 例えば、

  • ○円以上購入してくれた顧客
  • ○か月以内に商談成立した顧客
  • 社長が購入を決定した顧客

など、自分が知りたいセグメントの顧客がどのような行動を取ったか(トレンド)を分析します。
この分析によって、「商品Aを購入した客は商談開始から3か月以内に購入している。商品Bは4か月である」「商品Cを購入する顧客は受注単価が低い。大口購入してくれる顧客は商品Dを選びやすい」といったトレンドが抽出できます。

 

b. パターン検出分析

パターン検出分析とは、特定のイベント(事象)によって他にどのような事象が発生しやすくなるかといったパターンを抽出するための分析手法です。

例えば、「値下げキャンペーンをしたら、Cランクの顧客は購入に踏みきる率が高い。しかしAランクの顧客には影響が少ない」「経営者に直接プレゼンできた顧客は、2か月以内に購入に踏みきる確率が高い」といった傾向が読み取れ、経営戦略の策定などに役立つでしょう。

 

c. クロスセグメント分析

クロスセグメント分析とは、縦軸と横軸に異なるセグメントを並べ、碁盤のマス目のようなマトリックスを作成して異なるセグメント間の相関性を見つけようというアプローチです。

例えば、Aという製品には3つの主要な機能があったとします。この3つの機能を横軸の座標とし、顧客をA~Cランクまでにセグメントしたものを縦軸の座標とします。

それぞれの顧客から「どの機能にもっとも期待をして購入したか?」という情報を得て、購入数や購入額をそれぞれのマス目に埋めていくと、「全体的に注目度が高かった機能は1だが、一番注目していたのはCランク顧客だった」「Aランク顧客はほかの層に比べて機能3への注目度が高かった」というようなデータが抽出できます。

このようなデータから、見込み顧客の属性に応じて、「どの機能を中心にアピールするか?」を決定したり、注目度の低い機能はそぎ落とし、注目度の高い機能をさらに充実させるといった商品開発やサービス改善などに役立てたりできます。

 

有益な分析を前提としたダイレクト・ヒアリングを

ダイレクト・ヒアリングに多くのメリットがあることは冒頭でご説明しましたが、ここで行うヒアリングはあくまでも顧客情報収集のためのものです。せっかく得た貴重な情報は営業戦略の策定や見直し、顧客満足度の向上などにフィードバックされなくては意味がありません。しっかりとした目的意識を持って、有意義なヒアリングを行いましょう。

もちろん、質問項目は自社が選択する分析方法に適合する形でデータが収集できるものでなくてはなりませんし、後日、別の分析アプローチをする可能性も想定して、汎用性の高い情報も収集しておきましょう。

最後に、顧客にとって、ヒアリング当日に時間を割かなくてはならないうえに、ヒアリングシートに回答を記入していく作業は負担が大きいということを十分意識してください。顧客との関係性や製品/サービスに対する満足度にもよりますが、こうした協力を依頼するからには、顧客側にも何らかのベネフィットを提供できるような工夫も必要ではないでしょうか。

 

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