営業力アップに向けた研修・教育プログラムのポイント

更新日:2023.02.22 / 営業ノウハウ 

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営業力の強化。それは規模の大小を問わず、経営者にとって永遠の課題の1つでしょう。営業部門は業務の入り口であり、全ての顧客との関係が始まるスタート地点です。

個人の経験や簡易頼りがちな営業ノウハウをメンバーに共有する。それを実現するのが営業スタッフの研修・教育プログラムです。
こうしたプログラムを活用して人を育て、現場に活かす。そのためのポイントを考えてみましょう。

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研修・教育で新人営業マンが身につけたいスキル

営業マンの仕事は多岐にわたるため、新人は覚えることが多くて混乱してしまうことも多いのではないでしょうか。

ここでは、新人の営業マンが研修・教育プログラムにおいて身につけたいポイントをご紹介します。

 

コミュニケーション能力

営業マンにとって欠かせないのが、コミュニケーション能力です。営業マンは初対面の方と話す機会も多いため、ある程度のコミュニケーション能力が求められます。

ただし、営業マンに必要とされるコミュニケーション能力は、一般的な社交性とはまた違ったものです。顧客といかに早く信頼関係を築けるかがカギとなってきます。顧客ときちんと会話のキャッチボールをして信頼関係を早めに築くことができれば、相手のニーズを引き出せるようになります。

 

ヒアリング能力

営業マンは、ただ自社の製品やサービスを売り込むだけではありません。顧客の課題をきちんと聞き出す「ヒアリング能力」が必要です。

誰しも、自分の課題をしっかり聞いて理解してもらうことで、満足度がアップします。そのためヒアリングの時点で、相手がどんな課題を抱えているのか、どんな解決策を求めているのか、予算はどれくらいかを引き出します。つまり、ヒアリング能力とは、単に相手の話を聞くだけでなく、相手の困りごとの根本を引き出す能力ともいえます。

相手の話をしっかりと聞き、どれだけ相手の信頼を得られるかで、その後の商談の流れが決まるといってもいいでしょう。

 

分析力

営業マンは、さまざまなデータを取り扱います。そのため、そのデータをどのように活用したらよいのか理解しておかなくてはいけません。

特に大事とされているのが、自分のパフォーマンスに関するデータなどです。自分のパフォーマンスなどを常に理解しておけば、次にどんなアクションをとればいいのかが分かりやすいでしょう。 

また、顧客の課題を分析する能力も求められます。近年の営業マンは単に自社製品を売り込むのではなく、顧客の課題を一緒に解決する、ビジネスパートナーとしての側面も持っています。そこで必要とされるのが、課題を分析する力です。すでに信頼関係が構築されていれば、「何か困っていることはないですか」と聞くだけで答えてくれる場合もあるでしょう。

しかし顧客も、自身の本当の課題に気づいていないことがあります。

そのため営業マンには、競合他社や市場、顧客の会社を調査して「こんな課題がありそう」「この課題は自社のこんな製品・サービスで解決できそう」など、提案する力が求められます。

こうした「顧客自身も分かっていない課題」を見つけ、解決策を提示してくれる営業マンは顧客にとって価値のある存在となるでしょう。

 

顧客目線に立つ力

営業マンは自社の製品やサービスを売るのが仕事ですから、どうしても自分目線になりがちです。「買ってほしい」「自社製品を知ってほしい」などの気持ちが先行してしまい、ただ自社製品を紹介するだけになってしまうこともあるでしょう。

しかし製品をただ紹介されても、顧客にそれがどのように課題解決に役立つのか分からなければ購買意欲は動きません。

そこで顧客目線に立つ力が必要とされるのです。顧客目線で、「どんな面で困っているのか」「どんな課題を解決したいのか」を考えることで、相手の共感を得る提案ができるようになるでしょう。

まずは、顧客の立場に立ち行動できるようになることが必要です。

 

外部の力を有効活用する

いつの時代にも「営業の神様」的存在はいるものです。自分自身の方策を持ち、それを武器に抜群の成績を上げ続ける。そうした敏腕営業マンに直接教えを請うことは、モチベーションを高める意味でも有益かもしれません。自社のトップセールスマンを講師にし、社内研修を行うのも良いでしょう。

ですが「営業のプロ」が必ずしも「営業教育のプロ」とは限りません。独自の視点や理論は大いに参考になりますが、汎用性という点で考えると、必ずしも多くの人間が同じ手法を実行できるわけではないのです。

まずは、社外のビジネススクールやマネジメントスクールを活用し、客観的に自社の規模や状況を把握し、目指している着地点などに合わせた社員研修・社員教育を行った方が、より明確な成果につながるでしょう。また、現在の営業活動をロジカルに考えるキッカケにもなるので、業務の効率化が進んだり、営業手法の議論が活発化したり、社内の活性化につながります。

 

営業研修の例

ここで、マネジメントスクールが提供する営業研修の例をいくつかご紹介しましょう。これらはリクルート社が開発し、自社で活用するとともにマネジメントスクールを通じて外部にも供給されている研修プログラムです。

 

(1)FOCUS研修

FOCUS研修 とは

(画像引用:https://www.recruit-ms.co.jp/open-course/dtl/K1124/)
「FOCUS研修」とは、リクルート社が開発し、マネジメントスクールを通じて供給されている研修です。

その概略は、顧客の心理や関心の変化を5つの段階に切り分け、それぞれのフェーズごとにゴールを設定して、それを達成するスキルをロールプレイング形式で学んでいく、というものです。

5つの段階とは「関心→認識→選択→疑問→決定」。顧客が商品に関心を持ち、最終的に決定に至るまでの段階を、いかに確実にクリアしていくかを学ぶものです。

この研修は受講者からも好評で、しかも「成果に結びつく」と人気を集めています。また、直接的なスキルアップに加え、仕事が上手く運ばないときに「立ち返る場所」にもなり得ます。

例えば、途中まで商談が進んだものの、その先の交渉がなかなかはかどらない。そんな時、現状をこの5つのステップに当てはめて考えてみる。すると「このプロセスをクリアせずに先を急いだな」とか「この段階を飛ばしてしまったのだな」という事が見えてきます。そうなれば、クリアしていないステップに立ち戻り、やり直すことが容易にできます。

 

(2)STAR研修

STAR研修 とは

(画像引用:https://www.recruit-ms.co.jp/service/service_detail/org_key/T023/)
営業職は「顧客」あるいは「担当者」という、生身の人間を相手にする業務です。当然、高いコミュニケーション能力が必要になりますが、そこにはどんなタイプの相手にも対応できるだけの柔軟性が欠かせません。

苦手なタイプの相手と、上手くコミュニケーションがとれない。あるいは、必要以上にストレスを感じてしまう。伝えたいこと上手く伝わらない。こうしたことはプライベートの場面でも多々あります。それを「相性が悪い」と片付けるのではなく、どのように認識して乗り越えるかを学ぶのがこの研修です。

「STAR研修」の概略を述べると、まずコミュニケーションという視点で、自分自身がどんなタイプの人間かを認識します。その上で「どんなタイプの相手には、どのように接すれば良いか」というコミュニケーションのテクニックを学んでいくというものです。

コミュニケーションにおいて自分はどのタイプなのか。自分と同じタイプ、あるいは異なるタイプの相手に対して、どのような接し方、伝え方をするのが最も効果的なのか。苦手意識を相手に与えず、自分も感じないようにするにはどうすれば良いのか。あらゆるシーンで活用できるコミュニケーションテクニックを学ぶことができます。

 

社内の営業ナレッジを共有

営業力のアップを図るには、社内で先輩営業マンのノウハウをしっかり共有してあげることも大切です。そこで、ここではナレッジの共有方法をご紹介します。

 

商談への同行

優秀な営業マンのナレッジを共有するには、営業に同行して営業プロセスを間近で見ることがスキルを伸ばすことにつながります。先輩営業マンの商談に同行し、しっかりと商談方法を見たり、直接フィードバックを行ったりするなど、ナレッジを共有してあげると効果的です。

一度に多くの人数にナレッジを共有させたい場合は、オンライン商談ツールを活用するのがおすすめです。オンライン商談ツールは録音や録画が簡単にできるので、何度も見返しやすいのが特徴です。営業マンから指導を受ける際にも、録画された映像を見ながら行えば具体的なポイントを把握しやすいでしょう。

 

SFAの活用

効率良くナレッジを活用するには、SFAツールを活用するのもおすすめです。SFAは、営業活動の支援と効率化が期待できるツールです。SFAには、主に営業活動を支援する以下のような機能が搭載されています。 

・顧客管理
顧客情報を一元管理できます。企業名や連絡先、担当者などの基本的な情報だけでなく、商談中に集めた情報を管理できます。 

・プロセス管理
商談から受注までの営業プロセスを管理する機能です。営業担当者ごとの進捗状況をリアルタイムに管理できます。 

・スケジュール管理
営業活動、顧客情報、プレゼン資料、コメントなどを記録できる機能です。営業活動を可視化できるので、メンバー管理や営業行動の指導をする際に役立ちます。 

・売上予測
営業担当別、顧客別、商品別、部門別など、必要な情報ごとに分けて売上予測ができます。ツールを使えば数値管理が容易なのもメリットです。またグラフ化することも可能なため、一目で直感的に売上予測ができます。 

・TODO管理
営業活動に必要な業務を記録できる機能です。商談に必要な細かな業務を入力することで、新人教育にも役立ちます。また、仕事量が把握できるため、業務の優先順位をつけたり、他のメンバーに振り分けたりする際に便利です。 

・アラート機能
金額変更や商談の期限など、あらかじめ設定した条件を教えてくれる機能です。提案書や見積書などの期限を設定することで、ヒューマンエラーによるトラブルを減らすことにつながります。 

新人から見ると、上記のような機能の中には役立つ情報が多く詰まっています。

たとえば、これまで行われてきた商談の流れを見ることにより、「このような案件ではこのように動けばいい」などが分かります。

また、SFAを活用することで新人営業マンの行動が可視化されるので教育しやすい面もあります。先輩営業マンは、新人の動きをSFA上で確認し、どこが問題なのか、どの点を改善したらいいのかなどを具体的に指導できます。

 

 教育は計画を立てて戦略的に

教育は計画を立てて戦略的に

これら外部の研修を活用するにしても、人材の育成にあたって重要な事は、第一にスケジュール感を持っておく事です。1人の人間の現状を把握した上で、1年後にどこまで育成するのか、2年後には何ができるにしておくか。さらに3年後はどのようなポジションで、どんな仕事をこなせるように育てていくか。年次ごとにそうした目標を立てて、実現するための計画を作り、それに沿って育成していくことが大切です。

そして、それぞれの時期にどのような教育を施すのか、その内容も重要です。あまりに濃く、重い内容の研修を短期間に詰め込んでしまうと、全てを消化しきれません。といって軽く薄い内容では意味がない、ということになってしまいます。

例えば新卒の人材ならば、まず入社後すぐにビジネスの基礎を教え込み、半年ほどあとに社内研修で自分自身のサーベイ(調査・測定)を行います。自分自身が思っている自分と、周囲の目に映る自分との差を明らかにし、それを認識しておきます。入社2年目に入ったあたりでFOCUS研修を行い、具体的な商談の組み立てを学び、さらに半年から1年ほどあとにSTAR研修。営業マンとしてのさらなるテクニックを身に付けていきます。

人の成長には時間が掛かるものです。急げば早く実を結ぶというものではありません。それを踏まえた上で、戦略的な人材育成を行う事を心掛けてください。

 

成長を実感させることも必要

これらの研修は、参加者を確実に成長させてくれるはずです。ですが、その効果をより確かなものにするには、研修直後に「将来の目標」を宣言させると良いでしょう。

研修を受けて何を得たのか。自分がどのように成長し、将来的にどうなりたいと考えるのか。ここで言う将来とは、それほど先のことではありません。半年後でも1年後でもかまいません。近い将来の営業マンとしての目標を宣言させ、それを記録しておくのです。そして半年後なり1年後なりに、その目標が達成できたかどうかを確認するのです。もしかしたら、その目標にはまったく届いていないかもしれません。逆に、予想以上の結果を得られているかもしれません。いずれにしても「何が悪かったのか」「どこが良かったのか」を検証する材料になります。

小さなことですが、目標をみずから宣言し、それを記録として残すことで、それは本人の意識にしっかりと刻まれます。その上で自分自身の成長を実感させるという事も、人材育成では大切な要素です。

 

現場へのフィードバックで確実な成果を

数日間の研修は、参加者にとって大いに勉強になるでしょう。ことにマネジメントスクールが提供するプログラムは、単なる経験則や習慣的作業の羅列ではありません。その多くが過去の実例に科学的な検証と考察を加えて、多角的に構成されたものです。新人には新人のための、中堅には中堅にふさわしい、管理職にはそのポジションに求められるスキルを身に付けられるように作られています。

ですが、そこで学んだことを実践の場で活かしていかなければ、それこそ宝の持ち腐れというものです。知識として記憶したテクニックは、それを使ってこそ成果を現してくれるのですから、それを現場にフィードバックするというプロセスは欠かせません。

そしてそうすることで、マネージャーも含めた営業チーム全員が、自分たちの営業スタイルについて共通認識を持つことができます。実はここにこそ、研修プログラムを通じた営業力強化のポイントがあるのです。「自分たちは、こうしたスタイルで営業にあたるんだ」「自社のスタンダードな営業プロセスはこうだ」こうした共通認識をチーム全員が共有していれば、誰かがつまずいたときにも、どこがまずかったのかを検証する事ができます。そして、至らない部分を補い、やり直すことも容易にできます。

このような環境を作り上げることで、チームの能力を均等化し、さらに底上げすることが可能になるのです。

 

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