法人営業:BtoB営業のコツとポイント

更新日:2023.08.08 / 営業ノウハウ 

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企業間の取引であるBtoB営業には、一般消費者との取引であるBtoCとはまた違ったポイントがあります。その概要を一言で表すなら「マーケティングと営業、それぞれの視点からWebを活用する」という事になります。
自社及び自社の製品を見込み顧客に知らせ、その良さに気付いてもらい、実際に使用して顧客となってもらう。
そして、顧客にとって自社製品が「なくてはならないもの」になる。そこまで辿り着く事ができれば、その顧客は継続顧客となり、強いパートナーシップを結ぶ事ができます。その領域に至るためには、マーケティングと営業が連携しつつ、ネットを使いこなすことが肝要です。

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BtoB営業(法人営業)の特徴

BtoB営業(法人営業)の特徴

まずは、BtoB営業の特徴を理解することで、コツとポイントがより分かりやすくなります。

BtoB営業はBtoC営業と比較したときに、以下のような特徴があります。これらの特徴をしっかりと把握しておくことがBtoB営業を成功させる第一歩です。

 

製品・サービスの使用者と決裁者が異なる

BtoCのビジネスでは、営業を行う相手がそのまま決裁者かつ使用者であるケースがほとんどです。住宅や車など高額商品の場合は、決裁者と商談の相手が異なる場合もありますが、基本的には決裁者との直接のビジネスとなります。

対してBtoB営業の場合、ほとんどの場合で商談相手=決裁者ではありません。製品・サービスを使用する担当者が商談相手となる傾向が多く、最終的な契約の可否は管理職の承認を得る必要があります。特に、組織の規模が大きければ大きいほど、いくつかの段階を経なければ購買の決定権を持つ決裁者につながらず、契約締結までに時間がかかる場合もあります。

したがって、BtoB営業では案件の決裁者が誰であるかをいち早く知ることが重要です。商談担当者による報告・確認を経て決裁者とやり取りするよりも、決裁権を持つ相手に直接アプローチする方が、抱えている課題や予算感などが明確になります。
そのため、BtoBの場合はどれだけ早く決裁者にアプローチできるかが商談の成否を握っているのです。

 

購買の検討がさまざまな視点で行われる

BtoBで購買される製品・サービスは、BtoCのような個人的な満足度のような感情で購買が行われることはありません。BtoBの場合は、製品・サービスを購入し運用することで組織に利益をもたらすかどうかで購買の判断が下されます。

そのため、初回の商談で取引が成立することはまずありません。製品・サービスを実際に使用する使用者から各部署の責任者、購買の意思決定権を持つ決裁者、その他社内のみならず出入業者や協力会社も交えたうえで購買の検討が行われます。

複数の立場の人が関わるBtoBですが、製品・サービスに関わる全ての人物にアプローチすることは不可能です。したがって、先にもお話したとおり決裁者をいち早く把握して、適切なアプローチをかけなければならないということが、BtoB営業ならではの特徴のひとつです。

 

営業単価に比例して決済まで時間がかかる

その場で決済が行われるBtoCと異なり、BtoB営業は購入に至るまでのプロセスが複雑化するため、決済までの時間がかかる傾向があります。また、取引額もBtoC営業よりも単価が非常に大きくなる点もBtoB営業の特徴です。

取引金額が大きくなるほど慎重になるため、決裁まで時間を要してしまいます。そのため、BtoB営業の取引は顧客に認知からクロージングまで時間を要するという特徴もあります。

 

BtoB営業(法人営業)のコツとポイント

BtoB営業(法人営業)のコツとポイント

BtoB営業のコツは、大前提として「自社の製品・サービスによって顧客の問題を解決に導く」という意識を常に心がけることです。ただ売りたいという気持ちで一方的な営業をかけていては決裁者との商談には持ち込めないでしょう。このBtoB営業の大前提を踏まえたうえで、BtoB営業のコツとポイントをいくつかご紹介します。

 

 営業先のニーズとのギャップを見つける

BtoBに限らず、営業では自社の製品・サービスと顧客の求めるニーズとの間にギャップが生じることがほとんどです。ギャップがある場合は、顧客になる可能性が低いと諦めるのではなく、このギャップをチャンスと捉えてさまざまな提案をしてみましょう。例えば、ギャップを埋めるように製品・サービスを改善したり、顧客に合わせてオーダーメイドで提案をしたりといった施策を打つことが有効的です。

 

決済者に訴求する

BtoB営業では、決裁権者に対して最初から直接営業できることは稀です。ほとんどの場合は決裁権を持たない担当者との商談を繰り返すことになります。成約までの期間を短縮化するためには、なるべく早く決済者に訴求することがポイントです。

ただし、決裁者に直接アプローチできるのでは、担当者との信頼関係があってはじめてできるものです。そのため、担当者へのアプローチを繰り返して安心と信頼を得ることに努めましょう。担当者との信頼関係を築いたうえで、イベントやセミナーの開催時に担当者だけでなく決済者も同行してほしいという旨を伝えれば、決済者と早い段階で接点を持つことができ、決済者に強い訴求を行うことができるようになります。

 

素早くPDCAを回す

PDCAサイクルは、一般的に品質管理の目的で用いられる概念ですが、汎用性が高いため営業活動をはじめとしたビジネスにおいても適用することが可能です。

PDCAとは、「Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Act(改善)→計画に戻る」のサイクルで営業活動を回すことで、目的を達成するための計画が立てやすくなります。

営業活動でのPDCAサイクルを回す具体的な例としては、商談後速やかに振り返りを行って良い点・悪い点を評価し、改善と対策(計画)を行い次の商談に臨む、といった方法が挙げられます。スピーディーにPDCAサイクルを回し続けることで、営業活動の内容はブラッシュアップしていくでしょう。

 

自社製品に自信を持つ

BtoBの営業担当者は会社を代表する立場であることを忘れず、自信を持って製品・サービスの営業活動を行わなければなりません。例えば、今までの市場にはなかった新しい製品・サービスは、お客様に興味関心すら抱かれないことがあります。

顧客から関心を持ってもらえない商品を営業し続けることは、時に営業マン自身の商品に対する自信をなくす場合もあるでしょう。しかし、営業マンが自信を持っておすすめできない商品は、その自信のなさが顧客にも伝わってしまいます。このようなケースは、なかなか商談が成功せず、さらには営業マンが自信をなくすといった負のスパイラルに陥ってしまいがちです。

そのような事態を避けるためにも、まずは営業マンが自社製品に自信を持つようにしましょう。また、商談がもし良い結果に結びつかなくても、顧客のリアクションや感想などに真摯に耳を傾けて、意見をもとに製品を改善していけば自ずと結果はついてくることでしょう。

 

顧客情報をもとに適時的確なアクションを

個人の判断が購買に繋がるBtoCと違い、BtoBでは「決裁者の即断」で契約が決まるという事はまずありません。そこに至るまでには多くの人々が検討に関わり、商談期間も長くなります。
まずは、顧客企業の誰に、自社の誰が、どんなコミュニケーションをとっているのかを把握しておく必要があります。

自社側と顧客側の担当者がそれぞれ何人いるのかにもよりますが、顧客との接点が多ければ多いほど、それだけ多くの顧客情報が入ってきます。「来期にはこんな投資を予定している」「新規の営業活動を検討している」といった情報を蓄積し、顧客の新しい動きに対して提供できる、最適なソリューションを用意する。それがBtoB営業の要です。となると顧客情報、特に顧客とのコミュニケーション情報の蓄積が大きな意味を持ちます。その情報をもとに顧客の「今」の状況・状態を把握し、それに対する的確なアクションを起こす事が、商談を成功へと進めていく追い風となるのです。

 

Webマーケティングを有効活用する

BtoB営業は、Webマーケティングを有効活用する事が第一歩となります。一般的にネットによる情報収集は、大企業よりも中小企業のほうが、その頻度は高いとされています。大企業では出入りの業者も多いため、様々な情報が入ってきますが、中小企業ではなかなかそうもいきません。そのため、Web検索がおもな調査手段になっているのだと考えられます。ですから、売り手としても、Webを活用するのです。
Webサイトに自社及び自社製品の統一されたイメージを投影し、伝えるべき事が伝わる様に作り込み、必要な仕掛けを施しておく。また、伝えるだけではなく、こちらからの反応にも気を配る事も大切です。

初歩的な事ではありますが、自社製品の紹介サイトに引き合いのメールが来た、あるいは資料請求が届いた。こんなとき、単にメールで資料を送るだけでは不十分です。見込み顧客は、あなたの製品を使って自社の利益を高めたいと考えています。ですから、その為に必要な情報や知識をセットにして、「直接、ご説明に伺います」とアプローチをかけるのです。

次章からは、Webを活用したBtoB営業を詳しくご紹介していきます。

 

Webを入り口に効率的な営業ができる

前述の話を、私たちが提供する国産営業管理ツール「GENIEE SFA/CRM」の場合を例にとってお話ししましょう。「GENIEE SFA/CRM」に興味を持たれる方は、このツールを使って自社の営業を改善したいと考えています。こうした方々に直接お電話でアプローチすれば、訪問率はグッと高まります。また、実際に訪問できたならば、そこで「GENIEE SFA/CRM」の運用法やその際のコツ、企業規模や業種に合わせたカスタマイズのしかたなどのノウハウをご提供すれば、お客様にとって「GENIEE SFA/CRM」の魅力はより高まります。ご契約をいただく可能性も高くなるのです。

ここに至るまでの入り口となっているのがWebマーケティングです。企業リストにズラリと並んだ電話番号に片っ端から電話をかけていくよりも、はるかに濃密で効率的な営業活動ができます。BtoB営業のポイントは、まずネットを活用する事です。ネットマーケティングをうまく使って、ニーズを獲得する事から始めましょう。

 

Webを使って「人」との関係を強固にする

見込み顧客を商談から最終決断へと導いていく「ナーチャリング」においても、Webは有効活用する事ができます。1つの例をお話ししましょう。

A社は、チェーンストアの本部と各支店との情報共有を効率化するコミュニケーションツールを開発しました。
優れたツールなのですが、見込み顧客はそれなりの規模を持つチェーンストアに限られますから、その総数は10,000社程度です。
全体のパイの大きさがこの規模なので、KPIで数字を組み立てても「毎週、新規訪問を8社」などという数字は見込めそうもありません。

そこでWebサイトを活用しました。自社サイトの訪問者にクッキーを貼り付け、来訪する度にその行動をスコアリングしていきます。そして、スコアに合わせて最適なタイミングでこちらからコミュニケーションをとるしくみを作ったのです。

このしくみによって、かなりの高確率でアポイントを獲得でき、商談・契約へと導く事ができました。自社製品に興味を持っている「見込み顧客」が、自社サイトを訪れたタイミングを逃さず、適切なアプローチをかける事によって「顧客」へと誘導していく。これは、Webを活用したマーケティングであり、Webを使って見込み顧客の担当者という「人」とのつながりを強固にしていく、という事でもあるのです。

 

マーケティング部門と営業部門

自社製品をアピールする際には、その機能や仕様はもちろん、その背景にある要素も無視できません。その製品がどのような理念や目的で作られたのか。ターゲットは誰で、何を目標としているのか。ひとくくりに「ブランド」という言葉で言い表しても良いでしょう。自社のブランド、その製品のブランドというものが確立されていれば、あらゆる場面、あらゆる段階で、ブランドに沿ったアクションをとれば良いことになります。

BtoBの取引では、そのブランドを体現するのは顧客接点を持つ営業マンです。ですから、マーケティング部門が構築したブランド戦略を営業部門が正しく理解し、「何を理念としてどこを目指すのか」を共通認識として持っておく事が重要です。その理解が不十分だと、発信するメッセージの統一がとれず、結果としてブランドそのものが成り立たなくなってしまうのです。

ブランドを軸にして考えれば、まずマーケティング部門があり、そこから市場に対するコミュニケーション・チャネルのひとつとして営業部門がある、という組織構成がベストでしょう。ですが、一般的にはマーケティングと営業は別部門として存在しています。

そこで効果的なのが、「マーケティング部門と営業部門の連携をいかに高めるか」という視点を持つことです。この連携が高まれば高まるほどブランドの統一性が保たれ、顧客から見たときのブレが少なく、機会損失も避ける事ができます。

 

マーケティングと営業の連携を高めるには?

カスタマージャーニーマップ

▲国産営業管理ツール「GENIEE SFA/CRM」のカスタマージャーニーマップ例

 

では、マーケティング部門と営業部門の連携をより高めるには、どうすれば良いでしょう?
これにはいろいろなやり方がありますが、中でも効果的なのは「カスタマージャーニーマップ」を作ることです。

これは、顧客の心理と行動のプロセスを図式化したもので、製品の認知から商談成立まで、あるいはさらにその先までの一連のプロセスの中で、顧客がどの位置にいて、どの様な状況にあるのかをマップの様に図式化したものです。
例えばあなたの会社が、「自社開発した製品を売りたい」と考えているとします。
これは多くの企業にとって役立つものですから、あなたはぜひ1社でも多くこの製品を使ってほしい、買ってほしいと思っています。ですが、開発されたばかりですので、まだこの製品を知る人は市場には1人もいません。
ここから、顧客(この段階では見込み顧客ですが)の心理と行動のプロセスを追っていきます。顧客はまずB社の新製品を知り、自分にとって有用かもしれないと考えます。そこでさらに情報を集めて、その製品を知ろうとします。競合する他の製品との比較なども行うでしょう。

こうした変遷を図に落とし込んでいくと、最初のステップである「製品を認知する」から「商談成立」までのあいだに多くのフェーズがあることが分かります。

そして、それぞれのフェーズで顧客を次の段階に導くためには、さまざまな手段がある事もわかります。それは、ウェブ上のアプリケーションでできる事であったり、人の手を使って行う事であったりします。

さらには、マーケティング側が主導する事であったり、営業側が引っ張っていくものであったりします。こうした作業をマーケティングと営業とで行っていくと、「ここまではマーケが動かそう」「ここからは営業が主体で行こう」など、業務の分担が自然とできてきます。

 

カスタマージャーニーマップの重要性

あなたの製品を買うか買わないかを決めるのは、あなたではなく顧客です。そして、それがどんなに優れたものでも、機能も仕様もわからずに買ってくれる人はいません。
あなたの製品を認知し、詳しく内容を知り、競合製品よりも優れているとわかり、しかも自社にとって有益だと判断して初めて、顧客は契約してくれるのです。

その「契約成立」という地点まで顧客を導くには多くのルートがあり、最短距離も回り道もあります。それを明らかにし、それぞれの場面で誰が、どの様な方法で顧客を導けば良いのか。それを明らかにしてくれるのがカスタマージャーニーマップです。そして、このマップに示される顧客の心理状態を中心にして組織の役割を定義していけば、マーケティング部門と営業部門の連携も高まり、カスタマーエクスペリエンスの向上にもつながっていくのです。

 

まとめ

この記事では、BtoB営業のコツとポイントについてご紹介をしました。営業のコツとポイントをおさえたうえで、SFA/CRMを活用すれば営業活動は加速的に飛躍することは間違いないでしょう。

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