BtoCマーケティングとBtoBマーケティングの違い~最新マーケティング手法まで徹底解剖~
企業が成長していくにあたって絶対に欠かせない「マーケティング活動」ですが、
自社にあった「最適なマーケティング」ができているかを見極めるのは、
なかなか難しいのではないでしょうか?
実際に、業態やサービスだけでなく予算やリソースによっても
マーケティングの内容は変わります。
ですが、ある程度の方向性を定めることは可能です。
マーケティングは、BtoBマーケティング・BtoCマーケティングに大きく二分されます。
このBtoCマーケティングとBtoBマーケティングの概要と違いを理解することで、
自社のマーケティングの方向性を見出し、正確性をぐっと高めることができます。
今回は、BtoC・BtoBマーケティングの概要に加えて
今すぐ実践できる施策や最新ツールまでを徹底的に紹介させていただきます。
自社にとって「最適なマーケティング」を確立にお役立ていただけますと幸いです。
BtoCマーケティング・BtoBマーケティングの定義
BtoCマーケティング・BtoBマーケティングを理解する前に、
そもそもマーケティングとは、BtoB・BtoCとはなにかを振り返りましょう。
そもそもマーケティングとは
そもそもマーケティングとは何なのでしょう?
リサーチを実施して戦略を練ったり、ブログを書いたり、
広告出稿やメール配信実施したり…
ご自身の業務から、色々と連想されるかもしれません。
実はこれらはマーケティングの「一部」ではありますが、
マーケティング自体を意味するわけではありません。
マーケティングとは、「顧客のニーズに合ったものが最適な形で提供される市場を作り出すための活動」を指します。
もう少し簡単に言い換えれば、顧客が欲しいものを必要な場面で提供するための全ての活動がマーケティングにあたります。
参考記事:<a href=”https://magazine.ma-jin.jp/marketing_all/66″>マーケティングとはなにか?</a>
BtoCとは、BtoBとは
BtoC・BtoBとは、「誰が、誰に対して、商売をするか」というビジネスの様態を表しています。
BtoCは、Business to Consumerの省略であり、企業が消費者に対して直接取引をすること、
BtoBは、Business to Businessの省略であり、企業が企業に対して、すなわち法人同士で取り引きすることを表します。
BtoCマーケティング・BtoBマーケティングとは
言葉の通り、BtoCにおけるマーケティングとBtoBにおけるマーケティングを指します。
以下に、簡単な特徴を説明いたします。
【BtoCマーケティングの特徴】
ほとんどの場合、利用者と購入決定者が同一人物で、購入意思決定のスピードが速いのが特徴です。「自身の満足度」を高めるための購買行動なので、合理性だけでなく感情面でも購入の判断がなされます。
【BtoBマーケティングの特徴】
BtoCマーケティングとは違い、利用者と購入決定者が異なることがほとんどです。
企業内の部署間で調整が必要なため、購入までに時間がかかります。
「企業にとっての収益性」を重視するため、購買には合理的な判断がなされます。
ただし、BtoCであっても、家や車などの高額な商品を取引するケースや、
BtoBでも、社内の一部の人にしか影響しないものであれば購入判断がスピーディに行われるなど例外もあります。
以上で簡単に違いや特徴について説明しましたが、
なんとなく違いのイメージはつきましたでしょうか?
次は、購買プロセスやマーケティング手法など
中身を徹底解剖していきましょう。
BtoCマーケティングを理解する
BtoCマーケティング / BtoBマーケティングを以下の5点に分けて解説していきます。
・概要
・購買プロセス
・コミュニケーションチャネル
・マーケティング手法
まずは、BtoCマーケティングを見ていきましょう。
BtoCマーケティングの概要
BtoCの場合、購入基準は個人の感情や流行に左右されやすいでしょう。
機能に加えて、デザインやイメージなどの心理面への訴求も加味されます。
ノートパソコンを例としてみましょう。
合理性を重視するBtoBの場合、デザイン性よりも、機能性や軽さ、費用の安さなど、コストパフォーマンスを考慮し、購買判断を下すかと思います。
しかし、BtoCの場合は、機能性に加えて、デザイン性やブランドイメージも判断基準に加えられるかと思います。
また価格の低いものであれば、その時々の流行りや「キャンペーン中だったから、セール中だったから」という理由で購入されることもあり、消費者の趣向や気分によって判断基準が変わります。
これらは、心理的側面を多く含むBtoCマーケティングの特徴と言えます。
BtoCマーケティングではこれを踏まえ、
消費者の心理に寄り添ったマーケティングを行う必要があります。
また、趣向の多様化で、消費者を年齢や性別だけで分類するのは難しくなっています。
消費者をカテゴリー別の大枠でとらえるのではなく、
一人ひとりに適したアプローチを行う「1to1マーケティング」も重視されています。
BtoCマーケティングの購買プロセス
購入プロセスを見る指標として、認知・興味・欲求・記憶・購入という5つの段階に分けたAIDMAというものがあります。これに加え、消費者がインターネットやSNSでの「検索」や「共有」などの購買行動を前提としたAISASという考えも登場しています。
また、最近ではSNSの普及によりULSSASという新しい行動モデルも提唱されています。
これらのフレームワークをもとに、消費者がどのようなストーリーで購買行動を取るのかを予想したシナリオが「カスタマージャーニー」です。
カスタマージャーニーとは、商品を買ってほしいターゲットのペルソナを仮定し、ペルソナの感情・行動・思考を時系列で見える化したものです。
カスタマージャーニーを考えることで、消費者を理解し、消費者の目線に立ったマーケティングを行うことができます。いつ、どのタイミングで、どのような施策を行うのか。企業の主観的な考えではなく、消費者の動きを想定し、さまざまなデータで検証することでより効果的な施策を選定することができます。
BtoCマーケティングのコミュニケーションチャネル
企業と消費者をつなぐコミュニケーションチャネルについて紹介していきます。
BtoCマーケティングでは、多くのチャネルを利用したクロスメディア戦略が有効です。
クロスメディアは、メディアの特性を活かした組み合わせを行い、消費者へのコミュニケーションの質を向上させるものです。
例えば、テレビCMで消費者に商品を任知させ、Webサイトで詳しい情報を提供し、店頭で購入してもらう、というのがクロスメディアです。
メディアには様々な種類があります。
メール・SMS・LINE・DMなど、確実な方法で顧客にアプローチしたり、
webサイトや、ポータルサイト・ECサイトでの露出を通じて、製品購入や来店につなげることができます。
また、リスティング広告やディスプレイ広告のような手軽に始められるweb広告、効果の高いマスメディアへのCM出稿やDOOHのような大規模な広告など、BtoCでは多様なメディアを使うことができます。
参考記事:<a href=”https://magazine.ma-jin.jp/marketing_all/68″>チャネルとは何か?</a>
BtoCマーケティングのマーケティング手法
上記に記載したように、近年では露出度が高いマス広告を使ったマスマーケティングや、消費者の身近にあるコミュニケーションチャネルを利用したダイレクトマーケティングが普及しています。
近年は消費者の購買行動がネットで完結する場合も多いため、
オフライン広告やSNSマーケティングも有効な施策と言われています。
そのほかにも、リピーターやロイヤルカスタマーを獲得するために
顧客満足度を高く保ちファン層を育成するリードマーケティングやエンゲージメントマーケティングも重視されています。
BtoBマーケティングを理解する
次は、BtoBマーケティングについて解説していきます。
BtoBマーケティングの概要
一般的に、マーケティングと言われるとBtoCマーケティングを思い浮かべがちですが、
インターネットが普及した近年では、最初の接触やほとんどの情報収集がインターネット上でなされるため、BtoBにおいてもマーケティングが重要だとされています。
BtoBマーケティングでは、商材が高額な割合が高く、
また複数の人を説得し購入の判断をしてもらう必要があります。
例えば、あなたが営業部署にCRMの営業をする時、営業部長だけではなく、関係部署や経理部、実際にシステムを利用する現場の人たちにも納得してもらうことが必要です。
多くの人を納得させるためには、ロジカルで合理的な説明が求められるため、
説得する人数が増え、商談にかける工数やコストも増えます。
会社にとって高額で重要な取引の場合は、初回の提案から受注までに数年かかる場合もありますが、一方で一度導入してもらえれば他社への乗り換えが少なく、継続率が高いことも特徴です。
また契約期間が長くなれば、オプションを追加したり高額な契約プランにアップグレードしてもらえる確率も高くなります。
特に顧客の母数が限られているBtoBマーケティングにおいては
顧客とのかかわりを長く続けることは、BtoBにおいて重要となります。
このように、BtoBマーケティングではより多くの見込み客の獲得と、
既存顧客のフォロー・管理を行う必要があります。
BtoBマーケティングの購買プロセス
企業間での取引とはいっても、商談にかかわるのは各担当者であり、
担当者の心理的側面を動かすことは重要になります。
そのため、AIDMAはBtoBマーケティングでも活用できると言えるでしょう。
しかし、BtoCマーケティングとは違い、
現場担当者や決済担当者など、立場の違う関係者を説得することが必要なことと、
購買(成約)までに稟議等の社内手続きや契約締結の手続き等が必要になることから、
購買プロセスはより手順が多く長いものとなります。
また、判断材料はインターネットでの情報収集と商談における営業からの提案が主になるため、営業や既存顧客からの意見を吸い上げた上でのコンテンツ制作が重要であったり、育成した見込み客の引き渡しや情報共有などの『営業との連携』も重要です。
BtoBマーケティングのコミュニケーションチャネル
以前までは、BtoBにおける顧客との接点は直接対面するような、展示会や問合せが主とされていました。
ですが、インターネットが普及している現在では、webサイトやオウンドメディアといったコミュニケーションチャネルが最初の接点であることがほとんどだと言われています。
また、自社や共催でセミナーやウェビナー(web上でのセミナー)も最初の接点として使われることが増えてきました。
顧客ファーストの有用な情報を提供するサイトやセミナーで潜在顧客を集め、情報を提供する代わりに顧客情報を得、そこから顧客とのコミュニケーションを図るという方法が主流になっています。
コミュニケーションを図る際は、BtoC同様にメールやSMSなど、様々なコミュニケーションチャネルを使うことができます。
BtoBマーケティングのマーケティング手法
日本国内において、以前はBtoBマーケティングはそこまで重要視されていませんでした。
しかし、米国から流入してきたSFAツールやMAツールなど、顧客との関係構築を図るマーケティングツールが流入してきたことで、BtoBマーケティングの手法も確立されつつあります。
顧客を育成するリードマーケティングや、企業単位でターゲットを絞りアプローチするアカウントベースドマーケティングは、SFAツールやMAツールの考え方の根源ともいえるマーケティング手法です。
また、コンテンツマーケティングという言葉も一回は聞いたことがあるのではないでしょうか。
顧客に有益な「コンテンツ」を提供することで、潜在顧客を獲得するマーケティング手法です。
そのほかにも、FacebookやTwitterなど、ビジネスマンが通勤中に見るようなSNSを使ったSNSマーケティングも有効とされています。
まとめ
以上、BtoCマーケティングとBtoBマーケティングの違いについて解説しましたが、
いかがでしたでしょうか?
BtoC/BtoBマーケティングと二分できるとはいえ、
企業によってマーケティングのあり方が変わることも事実です。
自社のマーケティングにおける目的地・ゴールが何かを考えながら
最適なマーケティングを実践することが最も重要だといえます。
この記事が少しでもマーケティング業務の助けになりましたら幸いです。