Salesforceキャンペーンの概要や使い方を解説

「Salesforceのキャンペーン機能とは何か?」「キャンペーンの活用方法は?」などと悩んでいませんか?
Salesforceのキャンペーン機能は、マーケティング活動の追跡と効果測定を可能にするツールです。適切に設定すれば、キャンペーンと商談の関連付けやROIの可視化が実現できます。
本記事では、Salesforceキャンペーンの基本概念から使い方を詳しく解説します。活用に必要な4つの重要設定項目についても紹介しているため、マーケティング活動の効果を最大化したい方はぜひ参考にしてみてください。
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Salesforceの「キャンペーン」とは

Salesforceのキャンペーンは、展示会やメール配信などのマーケティング活動ごとに情報を一元管理する追跡ツールです。リードの獲得から商談成立までの全プロセスを可視化し、施策ごとの効果測定を可能にします。
たとえば、ウェビナー参加者名簿やDM送付リストを1つのキャンペーンに紐づけ、反応状況や成約率を統合的に分析できます。他にも、展示会とオンライン広告の費用対効果を評価する場合、キャンペーンごとのリード獲得数や商談化率を比較することが可能です。
データは自動的に集計され、レポート作成の手間を大幅に削減します。
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Account Engagementの「キャンペーン」との相違点

SalesforceキャンペーンとAccount Engagementキャンペーンの根本的な違いは、管理対象の関係性にあります。Salesforceでは1つのキャンペーンに複数のリードが紐づくのに対し、Account Engagementでは1リードが1キャンペーンにのみ属します。
たとえば、ある顧客が複数のマーケティング施策に接触した場合、Salesforceでは全ての施策を別々のキャンペーンで管理することが可能です。一方で、Account Engagementではその顧客の行動経路を1つのキャンペーンで追跡します。
Salesforceキャンペーンは、施策単位の成果分析に特化している点が強みです。Account Engagementは、個々のリードの行動履歴追跡に重点を置いている点が大きな違いです。
Salesforceのキャンペーンを利用するメリット

Salesforceのキャンペーン機能は、マーケティング活動の効果を最大化するための強力なツールです。各マーケティング施策の成果を追跡し、データに基づいた意思決定を可能にします。
具体的なメリットをまとめると、以下の通りです。
詳しく解説します。
・活動の包括的管理 ・リード獲得と商談成果の可視化 ・ROIと費用対効果の算出 ・階層化による戦略的な予算管理 ・顧客エンゲージメントの詳細追跡 |
マーケティング活動の包括的管理
Salesforceキャンペーン機能を使えば、展示会やメール配信、広告など多様なマーケティング施策を一元管理できます。各施策の情報を体系的に整理すれば、マーケティング活動全体の把握が容易です。
たとえば、展示会の参加者リストや反応状況をリアルタイムで共有すれば、営業担当者はタイムリーにフォローアップすることが可能です。一元管理の仕組みにより、担当者間の情報共有がスムーズになり、チーム全体での活動の透明性が高まります。
リード獲得と商談成果の可視化
キャンペーン機能を活用すると、各マーケティング施策から獲得したリード数や創出された商談数を明確に把握できます。データの可視化により、どの施策が最も効果的にリードを生み出しているかを判断することが可能です。
たとえば、特定の業界向けウェビナーが高い商談化率を示している場合、類似のウェビナーを増やすといった戦略的判断ができます。可視化されたデータをもとに、成果の高い施策に予算やリソースを集中させれば、マーケティング活動の効率を大幅に向上させられます。
ROIと費用対効果の算出
Salesforceキャンペーン機能では、各マーケティング施策の投資対効果(ROI)を簡単に算出できます。キャンペーンの成立商談金額から実費を差し引いた純益を経費で割れば、投資効率を明確に把握することが可能です。
たとえば、展示会とオンライン広告の投資効率を比較し、より効果的な方に予算を振り分けるといった判断ができます。ROIデータを活用すれば、限られたマーケティング予算を最適に配分し、効果の低い施策の見直しや効果の高い施策の強化にもつながります。
階層化による戦略的な予算管理
キャンペーンの階層化機能を使うと、マーケティング施策を体系的に整理し、予算管理を効率化できます。最大5階層まで設定可能で、全体方針から個別施策まで体系的に管理できる点もメリットです。
たとえば、「新製品発表」という親キャンペーンの下に「プレスリリース」「展示会」などの子キャンペーンを配置したとします。適切な配置をすれば、全体と個別の予算・成果を同時に管理することが可能です。
階層構造により、下位キャンペーンの予算や成果が上位に積み上げられ、マーケティング全体の状況を把握しやすくなります。
顧客エンゲージメントの詳細追跡
キャンペーン機能を使えば、顧客の反応や行動を詳細に追跡し、エンゲージメントの度合いを把握できます。キャンペーンメンバーのステータス管理により、各顧客の参加状況や反応を正確に記録できる点も強みです。
たとえば、セミナー参加者の中でも質問をした人や資料をダウンロードした人など、高い関心を示した顧客を優先的にフォローできます。詳細な追跡データを活用すれば、顧客の関心度に応じたフォローアップが可能になり、コンバージョン率の向上につながります。
Salesforceキャンペーンの使い方

Salesforceキャンペーン機能を効果的に活用するには、基本的な操作手順を理解することが重要です。一連の流れを把握すれば、マーケティング活動の全体像を効率的に管理できます。
Salesforceキャンペーンを活用するための基本的な手順は、以下の通りです。
詳しく解説します。
1.キャンペーンレコードを作成 2.キャンペーンメンバーの追加 3.レコードの階層化 4.キャンペーンと商談の関連付け |
1. キャンペーンレコードを作成
キャンペーンレコードは、マーケティング活動を管理するための基本単位です。新しいキャンペーンレコードを作成する手順は以下の通りです。
1.Salesforceホーム画面から「キャンペーン」オブジェクトにアクセス 2.画面上部の「新規」ボタンをクリック 3.必要情報を入力(キャンペーン名、種別、開始日・終了日、予算など) 4.「有効」チェックボックスをオン 5.「保存」をクリックして完了 |
キャンペーンレコードの作成や編集を行うには、ユーザープロファイルで「マーケティングユーザ」権限が必要です。設定がされていない場合は、システム管理者に依頼して権限を付与してもらいましょう。
2. キャンペーンメンバーの追加
キャンペーンメンバーとは、マーケティング活動のターゲットとなるリードや取引先責任者、個人取引先のことです。キャンペーンメンバーを関連付けることで、施策の効果を追跡できます。
キャンペーンメンバーの追加方法は、主に以下の通りです。
追加方法 | 概要 |
キャンペーンレコードから直接追加 | 取引先の詳細ページから「キャンペーンに追加」を使用 |
メンバー管理機能を使用 | キャンペーンレコードの関連リストから追加 |
取引先ページから追加 | 取引先責任者関連リストから追加 |
レポートから追加 | 標準レポートやカスタムレポートから追加 |
各追加方法の詳細な手順は、Salesforceの公式ドキュメントや管理者ガイドを参照してください。複数のメンバーを一括で追加する場合は、キャンペーンメンバー関連リストから対象者を選択して登録しましょう。
3. レコードの階層化
キャンペーンの階層化は、マーケティング活動を体系的に整理し、全体像を把握するための重要な機能です。最大5階層まで設定可能で、親キャンペーンの下に子キャンペーンを配置すれば、マーケティング戦略の構造化と予算・成果の集計が容易になります。
階層化の主な目的は以下の通りです。
目的 | 説明 |
活動状況の可視化 | マーケティング活動の実施状況を階層的に表示 |
予算・成果の集計 | 親キャンペーンで子キャンペーンの予算や成果を自動集計 |
戦略の構造化 | マーケティング計画を体系的に整理 |
階層設定の基本的な手順は、子キャンペーンのレコードを開き、「親キャンペーン」項目に親となるキャンペーン名を入力することです。子キャンペーンの予算や成果が親キャンペーンに自動的に集計されるため、マーケティング活動全体の効果を簡単に把握できます。
4. キャンペーンと商談の関連付け
キャンペーンと商談を関連付ければ、マーケティング活動がどれだけ売上に貢献したかを測定できます。関連付けの方法には、以下の2種類があります。
関連付け方法 | 概要 |
自動関連付け | リードの取引開始時に商談の「主キャンペーンソース」に自動設定 |
手動関連付け | 商談の「主キャンペーンソース」項目に手動でキャンペーンを入力 |
自動関連付けを有効にするには、「キャンペーンインフルエンス」設定を有効にする必要があります。手動関連付けの場合は、商談の詳細ページで編集モードに入り、「主キャンペーンソース」フィールドに関連するキャンペーンを設定しましょう。
キャンペーンと商談の関連付けにより、各マーケティング施策のROI(投資対効果)を計算できるようになります。集めたデータを活用すれば、マーケティング予算の最適な配分やより効果的な施策の立案に役立てることが可能です。
Salesforceのキャンペーンで設定するべき4つの項目

Salesforceキャンペーンを効果的に活用するには、以下の4つの重要な設定項目があります。
1.事前設定 2.キャンペーンインフルエンス設定 3.自動関連付け設定 4.Account Engagementとの連携 |
上記の設定を適切に行うことで、マーケティング活動の効果測定や分析の精度が向上します。詳しく見ていきましょう。
1. 事前設定
事前設定では、キャンペーンの基本的な情報を設定しましょう。「親キャンペーン」項目ではキャンペーンの階層構造を定義でき、複数のマーケティング施策を体系的に管理できます。
「キャンペーンの予算」には計画している予算額を入力し、「期待されるレスポンス」には設定したアクションの予想実行率を設定します。さらに「キャンペーンの期待収益」項目では、マーケティング施策で見込まれる収益を設定することが大切です。
それぞれの項目を適切に設定すれば、キャンペーンの全体像を把握し、効果的な管理が実現します。
2. キャンペーンインフルエンス設定
キャンペーンインフルエンスは、商談に影響を与えたキャンペーンの影響度を設定する機能です。機能を活用すると、1つの商談に複数のキャンペーンを関連付け、それぞれの貢献度を数値化できます。
設定するには、まず「設定」から「キャンペーンインフルエンス」を検索し、有効化します。次にユーザーの詳細ページにアクセスし、「権限セットライセンスの割り当て」関連リストから「CRM User」または「Sales User」ライセンスを選択して割り当てましょう。
キャンペーンインフルエンスにより、複数のマーケティング施策が商談に与えた影響を正確に把握し、より精緻なROI分析が可能になります。
3. 自動関連付け設定
自動関連付け設定は、キャンペーンと商談を自動的に関連付ける機能です。設定画面のサイドメニュー上のクイック検索窓に「キャンペーン」と入力し、「自動関連付け設定」をクリックして有効化します。
自動関連付け設定を活用すれば、登録されたリードや取引先責任者が商談に発展した際に、自動的にキャンペーンと商談が関連付けられます。資格制限として、取引先責任者とキャンペーンが関連付けられた日付から、商談が作成された日付までの最大日数を指定することも可能です。
自動関連付けにより、データ入力の手間が削減され、より正確なキャンペーン効果の測定が可能になります。
4. Account Engagementとの連携
Account Engagement(旧Pardot)との連携により、マーケティングオートメーションと顧客管理の統合が実現します。連携のメリットは以下の通りです。
・マーケティング施策の効果を詳細に確認できる ・見込み客の関心事項の把握できる ・収集したデータのリスト化やタグ付けができる ・個別のスコアリング確認できる |
連携方法は、まずAccount Engagement設定からコネクターを選択し、次にSalesforce.comの設定の歯車から設定の編集を選択します。次にキャンペーンを選び、「接続済みのキャンペーン」と「Engagement History」を有効化し、適切なレコードタイプを選択しましょう。
連携により、マーケティングから営業までの連携が実現し、より効果的な顧客アプローチが可能になります。
Salesforceキャンペーンのまとめ

キャンペーン機能の設定は決して簡単ではなく、各項目の理解や適切な権限設定など、専門的な知識が必要です。しかし、適切に設定・活用すればマーケティングや営業チームの業務効率向上、事業戦略の意思決定に役立つ重要な機能となります。
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