御用聞き営業・提案営業・ソリューション営業

2016.06.07 / 営業ノウハウ 

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代表的な営業スタイルとして『御用聞き営業』、『商品提案営業』、『ソリューション提案営業』があります。これらは営業に対するスタンスの違いで、単純に古い/新しい、劣っている/優れているというシンプルな二極化で表せるものでもありません。
これらのスタイルにはそれぞれの特徴があるので、業界や商材によって使い分けができれば、それが一番です。
今回は、これら3つの営業スタイルについて考えてみましょう。

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注文を聞いて回る『御用聞き営業』

御用聞き営業、低姉偉業、ソリューション営業

営業の世界に身を置いていれば、これらのスタイルをすでにご存じとは思いますが、改めて解説しておきましょう。

まず「御用聞き営業」は、その名のとおり伝統的な「御用聞き」スタイルの営業です。テレビドラマやアニメの三河屋さんのように、勝手口から顔を出して「何か御用はございませんか?」と聞いて回って注文を取る。定期的にやってきては注文を取っていくので、現状維持を良しとする顧客にとっては便利な存在です。ですが、売り手である自社から見ると、受注のすべてを顧客がコントロールしているので、今以上の発展性がなく、顧客の半歩先を行ってリードしていくこともできません。顧客が「ダイコンとニンジンを持ってこい」と言えば、ただそれに従うだけです。定期的に訪問することでそれなりの受注が取れるという点を「安定性」と評価することもできますが、納期競争や価格競争に引き込まれてしまったら、どうすることもできません。

ただ、どんな顧客にも波があるので、定期的に顧客を訪問して顧客の状況をつかめるというメリットもあります。
例えば、顧客の状況を他社より早く知れるなど、顧客の状況を把握出来る環境や関係が構築できれば、前もって提案の準備ができます。引いては、次項以降で説明する『商品提案営業』、『ソリューション提案営業』につながります。ですので、『御用聞き営業』がダメというわけではありません。営業の意識付け次第で、次のステップにつなげられるのです。

 

積極的に売り込む『商品提案営業』

「商品提案営業」は、定番商品の販売に加え、顧客が求めるであろう商品やサービスを、一歩先を見据えて提案し、販売につなげるスタイルです。御用聞き営業の場合は、注文内容を顧客がコントロールしているので、それと比べると積極的に前へ出たスタイルといえます。

顧客から「ダイコンとニンジンを持ってこい」と言われたら「近ごろ寒いですから、鍋なんてどうですか?白菜もお持ちしましょうか?」などと提案できれば、「それもいいなぁ」となるかもしれません。さらに「鶏肉もお届けしましょうか?」と提案すれば「えっ、三河屋さん、肉も扱っていたの?」ということにもなるでしょう。

一歩踏み込んで商品やサービスを提案していくことで、売上の拡大につなげることができますし、販売機会の損失を防ぐこともできます。
ただし、御用聞き営業を好む顧客や現状維持を良しとする顧客には、「押しつけがましい」と煙たがられるリスクもあります。

 

「しくみ」を売り込む『ソリューション提案営業』

「ソリューション提案営業」になると、単に商品を売るだけではなく、顧客の抱えている問題に対して、解決・改善するための解決方法を、自社商品とセットにして売るというスタイルになります。顧客から「ウチの子が野菜嫌いで困っている」という悩みを聞いた三河屋さんが、野菜嫌いの人でもおいしく食べられる料理のレシピを見つけ、「これなら、きっとおいしく野菜が食べられますよ」と、食材と一緒に顧客に届けたらどうでしょう。そして実際に、その料理で子供の野菜嫌いを克服できたとしたら、顧客にとって三河屋さんは、厚い信頼を寄せる「なくてはならないパートナー」になるのではないでしょうか。そうした関係性から広がる可能性は、商品提案型営業の比ではありません。

もちろん、こうしたスタイルを取るためには、日頃から顧客との接点を活かして情報を収集・蓄積し、分析するという作業が必要です。ですが、その作業を経たならば、顧客の利益となる提案、時に顧客自身でさえも気付いていない問題を解決できる提案を行えます。実証された事実やデータを添えれば、なお良いでしょう。

こうした行動は、顧客の利益になるだけではなく、顧客との信頼関係を高め、より強固なパートナーシップを築くという、あなた自身の利益となって返ってくるのです。

 

ソリューション提案営業を実践するには

ソリューション提案営業は、顧客情報がなければ成り立ちません。なので、まずは顧客とのコミュニケーションを図ることが重要です。「御用聞き営業」でも「見込み顧客」の段階でも、顧客との接点をできるだけ増やし、そこから得られる情報を蓄積していきましょう。それを分析することで、顧客の心理状態や現在の状況が分かります。顧客が抱えている課題や問題も見えてくるでしょう。

こうした「課題」や「問題」については、顧客自身が気付いていないというケースが意外とあります。自分自身を客観的に知ることはなかなか難しいことですが、これは企業にも当てはまります。こうした点を気付かせるというのも、ソリューション営業の大事なポイントです。そして顧客でさえ気付いていない課題や問題を、自社の製品・サービスを使ってどのように解決していくか、そのノウハウまでもセットで提供するのです。こうしたコミュニケーションを行っていくことで、双方の関係性は確実に深まっていき、やがては顧客にとって、あなたの会社は「ビジネスを進める上で欠かせないパートナー」となるでしょう。

ソリューション提案営業のメリットである「売上の拡大」は、通過点に過ぎません。むしろ、顧客との関係を深め、良き相談相手となり、継続的なパートナーとなることが目標なのです。

 

ソリューション提案営業は深い分析と仮説で成り立つ

ソリューション提案営業は深い分析と仮説で成り立つ

顧客情報を分析して課題や問題を洗い出し、それに対する解決策を提供する。それがソリューション営業の外見上の形ですが、この作業はもちろん言葉で言うほど簡単ではありません。

まず情報の鮮度と確度が重要です。行動計画を立てるための基礎となる情報が古く、確度が低いと、見当違いの提案をしてしまいます。そうしたことのないよう、常に顧客情報を管理しておくことが肝要です。また、その時々に得られる断片的な情報ばかりでなく、顧客の理念やポリシー、向かっている方向、今現在のミッションなどを把握しておくことも必要です。これらは直接的に引き出したり、IRを詳しくチェックしたりすることで得られる情報ですから、そうした手間を惜しんではならないでしょう。

それを分析するときにも、さまざまな角度から掘り下げてみることがポイントです。一面的な見方にとらわれてしまうと、問題の本質を見誤ったまま、あらぬ方向に進んでいく危険があります。
情報を検証したら、「この顧客は、こうした問題に直面しているのではないか」といった仮説を立てて、それを自社がどのように解決に導いていけるかをさらに検討します。つまりは、仮説力が必要になってくるのです。

 

『御用聞き営業』から『ソリューション提案営業』になるためには

顧客が受注の全てをコントロールしている「御用聞き営業」や「提案営業」から、「ソリューション提案営業」に移行するためには、顧客の課題や問題点の把握し、それを解決する手段を提案する必要があります。しかし、営業に慣れていない新人や、まだ関係性が築けていない新規顧客の場合、商品を提案すると「押しつけがましい」と煙たがられる可能性もあります。

そのような場合、「商品」を提案するのではなく、「情報」を提供するという意識付けで考えてみるのも良いでしょう。顧客との関係値が浅くても、課題や問題を解決する手段の情報を欲していますので、顧客は情報を受け取ってくれる可能性は高いですし、何らかのリアクションが得られます。

その「情報」を提供し反応の良かった「情報」を、次のステップである「ソリューションを提案する営業」につなげられます。

御用聞き営業から、得られたら情報を元に仮説を立て、解決方法の情報を提供し、反応を見て、ソリューション提案営業につなげる。このサイクルを繰り返すことで、より一層強固な顧客との関係が構築されます。そして、あなた自身がソリューション提案営業としての地位を確立できるでしょう。

 

プロが支えるソリューション営業

どのような物であれサービスであれ、商品を売り込む営業マンはその商品にかけてはプロ中のプロです。誰よりもその商品に詳しく、その商品を知っています。長所も短所も知っていますし、どんな顧客にそれが向いているかも知っています。その商品が使われる業界の事情や動静にも敏感で、競合商品、競合他社の動きも把握しています。こうした下地があるからこそ、ソリューション提案営業が可能になるのです。

あなたが持っている商品を、あなたの顧客は知っています。使い方、扱い方も知っています。ですが、「その商品を導入することで、社内の課題や問題を解決することができる」。そのような効果を得られることなど、顧客は想像もしていないでしょう。そこに気付かせ、提案するのがソリューション提案営業です。ですからこのスタイルを実践するなら、営業マンは商品に関して高い見識を備えておく必要があります。顧客以上の知識と見識を持ち、顧客自身でさえも気付いていない課題や問題の解決策を提示できる仮説力を備えている。それが理想の姿でしょう。

ソリューション提案営業は顧客と接触する場の最前線において、双方の関係性をより強固にする方法でもあります。それは、売上の拡大とそれに伴う営業力の底上げ、顧客との信頼関係の向上による継続顧客化など、多くの恩恵をもたらしてくれるでしょう。

ソリューション提案営業を行える営業マンを育てていけば、そのまま営業力アップにもつながっていくのです。

 

ソリューション提案営業では”顧客を知る”ことが重要

ここまででご紹介してきた通り、ソリューション提案営業は「顧客の課題を解決する方法(ソリューション)」を提案することで、自社の製品を売り込んでいく営業手法です。そのため、ソリューション提案営業においては、顧客が購入するのは「製品」ではなくあくまで「顧客の課題を解決する方法」であるということが基本的な考え方です。

また、ソリューション提案営業には、顧客の把握している問題に対して解決策を提示する受動型と、顧客の把握していない潜在的な問題を見つけ、それに対する解決策を提示する能動型の2種類がありますが、どちらも「顧客の持っている課題」を把握が重要です。

「顧客の持っている課題」を正しく把握するには、まず「顧客を知る」必要がありますが、これには、今までのやり取りの中で把握してきた顧客の情報をしっかりと管理し、共有することが重要です。しかし、顧客情報を手動で一つひとつ管理していくことは大変難しく、時間と手間がかかってしまいます。そのため、顧客情報を管理するためのシステムがあると、情報管理の効率が格段に上がります。

 

顧客情報を管理するには?

顧客情報を管理するには?

顧客情報を管理する方法には、さまざまな種類がありますが、ここではCRMシステムで管理する方法をご紹介します。

 

CRM(顧客管理)システム

CRMは、Customer Relationship Managimentの略語で、直訳すると「顧客との関係管理」となり、顧客とのよりよい関係を築くために、顧客の情報を管理していくという概念を指します。そのため、CRMシステムとは、「顧客とのよりよい関係を築くために顧客情報を管理する」ためのシステムとなります。CRMシステムでは、営業部門やマーケティング部門など、企業内のさまざまな部門の担当者が別々に管理していた顧客情報を一元化し、すべての部署で同じ情報を共有することができます。

CRMシステムと似たシステムとして、SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)があります。SFAシステムは営業部門の情報の共有をしやすくし、業務の自動化や分析を行うことで業務の効率化を図るシステムです。SFAは営業活動に、CRMはマーケティングに特化しているシステムですが、最近ではSFA機能が付いているCRMシステムもあり、ひとまとめにされることが増えてきています。

CRMシステムを導入することで生まれるメリットとして、顧客情報を一元管理することによって、部署間の連携が容易にできるようになります。これにより、顧客に対してより素早く効果的なアプローチが実現します。

また、もし担当者が変わった場合でも、すべての情報が共有されているため引継ぎミスも生まれません。都度、顧客に情報を聞き直すということもないため、顧客が余計なストレスを感じずに済み、顧客満足度の低下を防止します。

さらに、情報が一元管理されることで、情報の引き出し方や見方を統一できます。新人教育など、新たに業務を覚えてもらう場合、覚える項目が少なくなるため、教育時間が削減可能です。

 

CRM(顧客管理)システムで管理すべき情報

CRMシステムで管理すべき情報には、大きく分けて3種類あります。

 

基本情報

まずは、顧客の氏名や会社名、所属する部署、連絡先などの基本情報です。CRMシステムではない顧客データベースでも管理されていることが多い情報ですが、CRMシステムで管理することによって他の情報との紐づけが行われ、より詳細な情報にすることができます。

 

購買・契約履歴

次に、過去の購入や契約をした日付やその金額などの、購買・契約履歴です。過去の購入履歴を一元的に管理することで、前回の購入から一定の期間後に次の購入に向けた案内を送ったり、商談の機会を設定したりすることが可能となります。

 

その他情報

顧客のニーズや考え方の傾向、アンケートを行ってその回答から得られる情報などを記録しておくのもよいでしょう。

顧客分類という、顧客が「どのような層」で「どのような購買行動」をするタイプなのかといったことも記録しておくと、対応の仕方を変えることが可能です。顧客分類は、感情表現の出し方や自己主張の仕方によって4タイプに分類することができるというもので、そのタイプによって、即決タイプか熟考タイプなどの傾向の他、どのような対応をすると顧客が気持ちよくやり取りできるかが明らかとなります。

また、顧客との雑談の中で得た小さな情報なども記録しておくと、役に立つ場合がありますので、さまざまな情報を積極的に記録するようにしましょう。

 

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