【営業管理ツール選びのポイント】導入を失敗しないための基礎知識まとめ
「営業管理など煩雑になりがちな業務を効率化したい」「顧客のデータを分かりやすく管理したい」という悩みを持っている企業は多いのではないでしょうか。
営業に関わる情報の整理に時間をとられると、本来の営業活動に支障が出る場合もあります。そこでこの記事では、営業に関する管理業務を効率化できる「営業管理ツール」についてご紹介します。
営業管理の基礎知識
営業管理とは、営業に必要な情報や行動などを管理することです。営業活動に関わる情報をしっかり管理することで、営業力を高めることが期待できます。
ここでは、営業管理の目的や指標などについてご紹介します。
営業管理の目的とは?
営業管理では、営業に必要なプロセスなどを数値的に管理し、目標と営業活動のギャップを埋めることを目的としています。
案件、顧客、行動、タスク、スケジュールなど営業情報全般を、一元管理することで、営業活動の改善を期待できます。
営業管理で用いられる指標
営業管理には、いくつかの達成すべき数値があります。指標とされる主な数値は、以下のようなものがあります。
目標管理
営業活動において、まず最初に設定すべきなのが「最終的に達成したい営業目標」です。
具体的には、以下のような指標が設定されます。
・売上高
・受注金額
・販売高
・利益率
目標管理は、部門、担当ごとに行います。達成率と達成見込みの数値を把握し、改善するポイントを発見します。
そこから妥当な目標が設定されているか、営業メンバーに納得してもらえるかを確認しますが、このとき目標は現在より少し上に設定するのがおすすめです。そうすることで、営業メンバーの成長を促すことができます。あまりに達成不可能な目標に設定しすぎると、メンバーのモチベーション低下を招いてしまう可能性があるため、注意しましょう。
案件管理
顧客ごとの一つひとつの案件について管理します。主に、以下のようなものを指標とします。
・商談進捗率
・顧客先への訪問回数
・受注確度
・受注見込み金額
商談に至った経緯から受注に至るまでの経緯をステージごとに分けて数値化します。
また、各プロセスの進捗状況と見込み度合いなども管理しましょう。そして案件の重要性や緊急性なども記載しておきます。
営業活動は複数のプロセスに追われることが多いですが、基本的に自分で案件管理を行います。しかし、複数の案件を担当していると、やるべきタスクを忘れてしまうこともあるでしょう。そこで、これからご紹介する営業管理ツールを取り入れると、やるべきタスクを忘れず、効率的に遂行できるようになります。
行動管理
案件が成約に至るまでには、多くのプロセスやアクションが発生します。それに伴う情報を管理します。主な指標は、以下のようなものです。
・電話をかけた回数
・アポイント回数(面会の約束を取り付けた回数)
・新規の訪問回数(実際に訪問した回数)
・継続で訪問した回数(商談につながった回数)
リピート営業をした場合には、訪問回数や頻度、商談時間なども記録します。
この行動管理データによって、訪問率や成約までに必要な努力数などを把握できます。それにより、成約の可能性が低い無駄な訪問や商談の時間を削減し、効率的に営業活動が行えるようになるでしょう。
もし成果を出せていない営業メンバーにアドバイスを行う場合は、結果だけを見ないようにしてください。「目標を達成するにはどんな行動すべきか」という点に注目することが重要です。行動管理ができていれば、営業メンバーがどんな行動をとっているかが見える化されるため、目標を達成できない原因を具体的に知ることができます。
また、営業メンバーによって苦手なことが異なるので、その人に合った指導をすることが大切です。
これらの情報管理を一元化することなく、営業メンバーぞれぞれに任せていると、記録の内容や頻度にばらつきが出てしまいます。
そのため、より円滑に効率よく記録するために営業管理ツールが注目されているのです。
顧客管理
営業活動における顧客管理とは、顧客の基礎的な情報に加えて、趣向や行動履歴といった多面的なデータを管理することを指します。顧客管理を徹底することで、営業活動を効率化させたり、その後の業務改善フローに役立てたりすることが可能です。顧客管理は、顧客との関係強化や収益の最大化を図るために、以下のような指標を掲げて管理します。
・顧客維持
・関係強化
・売上拡大
実際に、売上の8割は2割の顧客が生み出しているというデータがあるように、新規顧客に注力するよりも、既存顧客に契約更新やアップセルを働きかける方が利益を向上できます。しかしながら、顧客との関係性を維持して新たなビジネスの機会を設けるには、営業担当者からの適切なタイミングで的確なアプローチを行い、商品・サービスの価値を伝えていく必要があります。
そこで、顧客管理を徹底して行うことで顧客との関係性を強化し、しっかりとファン化していくことで安定的な売上拡大が目指せます。また、顧客の趣味嗜好をリアルタイムで可視化できるようになるので、クロスセルやアップセル、チャーンレートの低減といったアプローチもしやすくなります。
営業管理ツールの種類
営業管理ツールは大きく分けて、以下の3種類に分けられます。
・CRM(Customer Relationship Management)
・MA(Marketing Automation)
・SFA(Sales Force Automation)
それぞれ似た機能もありますが、コンセプトや特徴が異なります。そのため、ツールの特徴や使いどころを正確に理解していないと、効果をきちんと引き出せない可能性があります。
ここでは、CRMとMAの特徴や違いについてご紹介します。
顧客管理ツール
CRM(Customer Relationship Management)の略称です。日本語では、一般的に「顧客管理ツール」と呼ばれています。
顧客の氏名や年齢、属性などの基本的情報はもちろん、購入履歴や志向など顧客に関するさまざまな情報を一元管理できるツールです。
単に顧客情報を管理するためのツールではなく、顧客との関係の構築や維持を目的としています。CRMは営業部門はもちろん、コールセンター部門やお客様サポート部門など、さまざまな部門で利用します。
顧客と接点のあるあらゆる部門で顧客に関する情報を一元管理することで、顧客それぞれに合わせたサービスを提供できるようになります。その結果、顧客との良好な関係性を築くことが期待でき、顧客満足度向上につながります。また、情報を社内で共有することにより、業務効率化も期待できます。
近年は、さまざまな製品やサービスが登場し、顧客側もインターネットなどで情報を得やすくなっています。そのため、少しのミスがあれば顧客が離れてしまいます。
これに対処するため、企業は顧客個人や企業のニーズを正確に把握しなくてはいけません。また、一人一人、一社一社にあったパーソナライゼーションも課題です。これを実現するため、CRMツールを活用する必要があります。
SFAとCRMの主な違いは、管理する対象です。
SFAは「営業活動」、CRMは「顧客管理」を目的としています。管理したい対象が「顧客」である場合はCRM、「営業活動」ならSFAの利用がおすすめです。
ただし、近年はSFAとCRMどちらの機能を持ったツールも登場しています。
マーケティングオートメーションツール
MA(Marketing Automation)は、マーケティング活動を可視化・自動化するためのツールです。
新規顧客を開拓するには、潜在顧客の興味関心、行動に応じて最適なタイミングで最適なコンテンツを提供しなくてはいけません。これを実現するために開発されたのが、MAです。
従来のマーケティングは社員の経験や勘など、個人のスキルで施策が展開されることが多くありました。部門間の連携もあまりなかったため、効率の良いマーケティング活動ができない状態だったのです。
MAツールは従来、手動で行った領域と、人では実現が難しい領域を実現できます。
たとえば、顧客の属性情報や行動履歴などをIPアドレスと紐づけることで、その顧客がどれくらいの見込みがあるかを自動的に判断してくれます。
完全に自動化されたアプローチを適切なタイミングで顧客に届けることで、お問い合わせや営業への橋渡しなど、売上につながるアクションへとつなげられます。
営業管理ツールを導入するメリット
営業活動の支援を目的とした営業管理ツールのメリットには、以下のようなものがあります。
営業活動が見える化される
口頭やメール、紙だけで報告を行っていると、情報を細かく共有できません。また、リアルタイムで情報を更新できないため、タイムラグが生じてしまうことも多いです。
営業管理ツールがあれば、情報を一元管理し、リアルタイムで共有することができます。
従来の営業では、各営業担当者が個々に営業データを保持しているケースが多く、営業の進捗を他の担当者や上司が把握することは困難でした。また、レポートなどの提出物や納品物も担当者によって異なるなど、フォーマットのずれも珍しくありませんでした。さらに、そもそも営業業務は進捗状況のみならず、ノウハウや案件情報なども属人化しやすく、他担当者が参考にできないなどのデメリットも抱えています。このように、各人の営業状況・案件の進捗・管理や教育面で必要なナレッジなど、営業活動全般において管理に関わる課題が生じていました。
そのためこれらの問題をクリアし、より効率的に業務を進められるサポートツールとして営業管理ツールが開発されるようになりました。ツールによって営業活動が見える化されることで、営業状況や進捗情報をリアルタイムで把握することが可能になったのです。例えば、上司が営業活動の内容をチェックしたり、上司や先輩社員が状況に合わせて適切なアドバイスを送ったりすることが挙げられます。また、状況が可視化されることで、個人・部署ごとの営業状況や売上予測が立てやすくなり、売上のチャンス発見にも寄与する仕組みが作れるようになりました。
営業管理ツールを導入することで得られるメリットはいくつかありますが、今ご紹介したような可視化に関する点や分析業務に役立てれる点、ミス減少、ナレッジ蓄積による業務継続性などが大きな要素といえるでしょう。
ナレッジを蓄積できる
訪問記録や商談情報などを共有できることで、顧客に合わせたアプローチができます。また、過去の成約状況も確認することができるため、類似した案件が出た際にヒントを得られるようになります。
営業活動の効率化が図れる
営業活動の結果を、社員がツールにすぐに入力できれば、管理者の負担が減ります。また情報がリアルタイムで社員全体に伝わるので、営業活動の効率化につながります。
他部署と連携が図れる
営業担当者それぞれが顧客情報や進捗管理している状態は、さまざまな情報が社内で共有できないため業務が属人化しがちです。情報が共有されていない状態では組織として戦略的な活動ができず、売上が伸ばせるかどうかは営業担当者それぞれのスキル依存してしまいます。
しかし、営業管理ツールを活用することで、システム上ですべての情報が一元管理できるようになります。一か所に情報を集約することで他部署が情報を利用できるようになり、マーケティング部門と営業部門で協同しながら戦略的な活動ができるようになるのです。
また、営業担当者の対応漏れや引き継ぎの労力も大きく削減できます。担当者不在時のトラブルにも柔軟な対応が可能です。
さらに、担当者の退職や異動があったとしても業務を滞りなく行うことができるうえに、新人教育も効率化できるメリットがあります。新人教育では、通常は数ヶ月間のトレーニング期間が必要です。しかし、営業管理ツールがあれば、基礎的な知識を伝えた後は、適宜ツールを確認して応用力を身につけてもらうことで、自身で考える力を培いながらスキルアップを図ることができます。
このように、営業ツールだから営業部門だけで活用するのではなく、各部門同士が営業管理ツールを通して連携していくことで、効率的に業務を進めることができます。
顧客満足度の向上につながる
営業管理ツールが業務の効率化に役立つことは、ご紹介してきたとおりです。業務が効率化されれば、浮いた時間は既存顧客へのフォローや商談準備などに割くことができ、顧客満足度の向上を図ることができます。
また、顧客管理ができるツールであれば、顧客に関するさまざまな情報が一目でわかるため、担当者以外でも問合せ対応が可能になります。一か所に顧客情報が集約されていないと、確認に時間を要したり、担当者に確認して折返し対応していたりと、顧客を待たせるシーンが多く発生しがちです。しかし、ツールに情報を集約していつでも誰もが均一な対応を取れることで、顧客も安心感が得られ、サポートに対する顧客満足度が向上することでしょう。
さらに、営業管理ツールでは、顧客情報を属性や購買履歴、収益性などさまざまな観点から分析可能です。そのため、顧客それぞれのプロフィールやニーズに合った、適切な商品やサービスを提供できるようになります。
顧客にマッチしたアプローチは、顧客満足度の向上に直結し、自社製品の継続的な購入を促します。こうした対応を続けていくことで、顧客を自社の「ファン」にすることができるのです。1度ファンになった顧客は、継続的な利益をもたらしてくれる存在なので、新たな商品を打ち出したり、新事業を立ち上げたりと長期的な事業計画を策定することができます。
社員のモチベーションアップにつながる
営業管理ツールを活用すると、各スタッフの営業活動を誰もが一目で把握できるようになります。行動が可視化されることで目的が明確になるメリットが生まれ、営業活動が効率化されるのです。
営業活動の成否に関わらず、現状や各スタッフの動きが把握できることは、それぞれの営業手法を比較して改善策を見つけるきっかけになります。
また、行動が可視化されることで、管理者側もスタッフにピンポイントで助言を行うことが可能です。各スタッフの行動の可視化は正当な人事評価にもつながり、スタッフのモチベーションの向上に貢献してくれるでしょう。
評価がしやすくなる
営業業務は属人化しやすく、どれだけの成果を出せているのか見えにくい実態があります。特に、テレワークが多くなった現状では、さらに業務進捗が見えにくいことに拍車がかかっています。営業担当者の評価は、単に売上に貢献できたかだけで行うものでもなく、行動面でのプロセス評価も大切です。
というのも、営業職は他の部署と連携することも多く、時として営業職以外の業務がボトルネックとして営業活動に支障をきたしている場合もあります。そのため、単に結果だけで判断してしまうと正当な評価にならないだけでなく、問題の本質を改善できないまま放置してしまうことにもつながりかねません。しかし、営業管理ツールを使えば営業担当者の業務が可視化され、どこで支障をきたしているのか、各担当者がどれだけ営業に貢献しているのかが明らかになります。
営業担当者の各営業を記録し、顧客や案件情報を可視化することで、貢献度合いや評価を正しく判断することができます。適切な業績評価は、結果的に担当者の士気を高め、組織全体のモチベーションアップにもつながるでしょう。
営業管理ツールを選ぶときのポイント
営業管理ツールには、さまざまな種類があります。その中で自社に合ったツールを選ぶためのポイントをご紹介します。
自社の課題を明確にする
まずは、自社が営業活動においてどんな課題を抱えているのかを明確にしましょう。
課題を明確にすることで、ツールにどんな機能が必要なのか検討がつきます。そのため、失敗せずに自社に適切なツールを導入することができます。
「とりあえず多機能であればいい」と考えがちですが、使わない機能が多いと操作が難しくなる可能性も高いです。そのため、自社の課題を解決するために「絶対に必要」「あると便利」「必要ない」の段階に合わせて機能を仕分けることがおすすめです。
現場社員にヒアリングを行う
導入を検討する営業支援ツールが優れているものでも、現場に受けれられるものでなければ意味がありません。実際に利用するのは現場職員なので、なかなか浸透しない営業支援ツールを取り入れても無駄に終わってしまうでしょう。
また、中にはITに苦手意識を持つ担当者がいることも念頭に入れましょう。せっかくの業務支援ツールを使っても、欲しい情報に辿り着けず肝心の営業活動に問題を生じさせては元も子もありません。ITリテラシーが低い人材がいることも考慮し、主に活用する現場の社員にヒアリングを行い、どのような機能が欲しくて使いやすいかといった意見を取り入れて、ツールの導入を進めることをおすすめです。
営業管理ツールの担当者を決める
営業管理ツールを導入しても分析ができず、ただ記録するだけのツールになった、というケースがあります。そのような事態を防ぐためにも、会社の中で営業管理ツールの担当者を決めておきましょう。担当者は管理職でも営業担当者でも問題ないでしょう。ツールの担当者が中心となってツールの実働環境を整えることが重要です。
担当者を決めることで、導入当初に予測される多くの質問も、誰に問えば良いのかが明確になります。ベンダーへ確認をするときにも窓口が分かりやすくなるメリットがあります。全ての質問をベンダーへ投げることは効率的ではありません。解決できる問いに対しては、営業管理ツールの担当者になった人が受けることで、社内Q&Aの経験も蓄積されていきます。
営業管理ツールを運用していくことで、営業データが蓄積され、段階ごとに分析する会社もあります。ですが、それでは目的が曖昧で欲しい情報を得られないかもしれません。営業担当者を中心にして、導入前の時点で何を知りたいのかの方向性を定めておくと良いでしょう。スマートなデータ入力や運用ルールを決めやすくなります。
画面デザインや操作性を確認する
機能だけでなく、画面デザインや操作性も重要です。
ツールは、基本的に営業に関わる全てのメンバーが利用することを前提としており、中にはITツールの操作に自信がないメンバーもいるでしょう。
いくら機能が豊富でも、管理画面が見づらかったり、操作がしづらかったりすると、社員が使いこなせず、導入失敗に終わってしまう可能性があります。
どんなメンバーでも、直感的に操作ができるシンプルなツールを選ぶことが大切です。また、ツールを導入する前に研修などを行うことも有効でしょう。
費用対効果が高いツールを選ぶ
せっかくコストをかけてツールを導入するなら、コスト以上の効果を出したいものです。
単に価格だけでなく、機能・サービスなど総合的に鑑みて、費用対効果の高いツールを選ぶようにしましょう。
営業管理ツールには、無料と有料のものがあります。また支払い方法にも、月額制のものから従量課金制、オーダーメイドのものも存在します。この中から自社にとって最も費用対効果が高いものを選びましょう。
また、利用人数によって費用が変動する場合があるため確認が必要です。
分析機能が搭載されているか確認する
営業管理ツールを導入しても、分析機能がなくては課題の発見、改善が行えません。したがって、導入するなら分析機能の有無を確認しましょう。
ツールに情報を蓄積するだけでも、業務の効率化は可能です。しかし、PDCAサイクルを回していくには、分析結果に基づいた改善と実践を重ねていく必要があります。その際、分析機能がないとスピーディーに分析を行うことができません。
営業管理ツールは、基本的に特別な知識がなくとも直感的な操作で分析作業を行えるように設計されています。また、ダッシュボード機能による予実の可視化や、毎月発生する定型的な分析の項目を登録し、レポートとして出力する機能を備えているものもあります。
さらに、営業管理ツールのデータを基に資料を作成するのであればグラフのビジュアルが優れたものを、細かな分析を行うのであればソート機能が優れたものなど、分析機能を最終的にどのように活用していくか検討したうえで選定しましょう。
導入実績を確認する
営業管理ツールに関する実際の使い勝手や実情を知るためには、導入実績を確認してみましょう。導入実績数や導入事例が多いツールであれば、良いサービスを継続的に提供しているベンダーの可能性が高いです。また、多くの企業から選ばれ続けるということは、時代のニーズにも適応し、進化し続けている表れでもあります。
さらに、導入実績に自社と近しい業種や規模の事例が掲載されていれば、抱えている課題や解決したプロセスが参考になる可能性があります。たしかに実績の多さも検討する際に重要な指標ではありますが、もっとも大切なことは自社に適したツールかどうかです。したがって、自社の課題が解決できそうなツールかどうか事例を詳細に確認し、導入後のイメージを掴んでおくようにしましょう。
スマホでも利用できるか確認する
特にフィールドセールスが多い企業では、必ずスマホやタブレットで利用できるか確認しましょう。
スマホやタブレット対応であれば、社員が外出先からデータの出入力が可能になります。
例えば、
「顧客への訪問が早く終わったため、近くの顧客もついでに訪問したい。その前に、顧客情報を確認しておきたい」
「商談中に、別の商材についての情報を聞かれたため、すぐにデータを確認したい」
などのケースが起こった場合、スマホやタブレットから情報を確認できるとスムーズです。
また、空いた時間や移動時間に情報の登録から確認までできるため、生産性の向上も期待できます。
他システムと連携できるか
すでに他システムを利用している場合は、そのシステムと連携できると便利です。
たとえば、リードの獲得を自動化できるMAツールと連携するれば、リード獲得からリード獲得後の情報管理までスムーズに行うことができるようになります。
営業管理ツールによって、連携できるツール・システムが異なるため、しっかりと確認するようにしましょう。
サポートサービスの有無を確認する
サポートが充実しているかも大切です。サポートの体制によって、ツールが定着するか否かの分かれ道となることもあります。
例えば、以下のようなときにサポートしてくれれば安心です。
・導入時
・障害とトラブル発生時
・機能の追加や削除
・アップデート
できれば、導入から運用まで総合的にサポートしてくれるかを確認しましょう。特に初めてツールを導入する場合、ツールの使い方はもちろん、有効な活用方法が分からない場合もあるはずです。そんな時に、サポートを受けることができれば安心できます。
より、営業管理ツールを効果的に活用するために、サポート体制の確認は必須です。
無料トライアルを活用する
多くの営業管理ツールでは、無料トライアル期間を設けているため、導入前に利用することがおすすめです。実務に沿った形で使ってみると、操作性に問題が無いか、使いやすいデザインであるか確認できます。
特にデータの出入力やパソコンやタブレット、スマホで使う際のレイアウトについてチェックしておきましょう。
営業管理ツール5選を比較
ここでは、5つの営業管理ツールの特徴や費用をご紹介します。
Salesforce Sales Cloud
Salesforce Sales Cloudは20年以上の歴史を持つCRMツールです。
顧客情報を一元管理することで、顧客が求めるサービス提供につながります。
業界トップクラスのアナリティクス機能やインテリジェンス機能が搭載されているのが特徴です。
データを詳細に分析することで、埋もれていたインサイトを見出せます。また、予測によって商談を成功に導くための機能を備えています。
【提供形態】
クラウド型
【参考価格】
Essentials 月額3,000円/1ユーザー
Professional 月額9,000円/1ユーザー
Enterprise 月額18,000円/1ユーザー
Unlimited 月額36,000円/1ユーザー
Hubspot
Hub spotはインバウンドマーケティングおよびセールスに特化したソフトウェアです。特に、インバウンドマーケティングに特化しています。
インバウンドマーケティングとは、ブログやランディングページなどでユーザーを引きつけ、顧客へと変えるマーケティング手法です。
無料で利用することができるので、気軽に導入できます。
有料プランに切り替えることで、SFAやMAの機能を使えます。
Hubspotは、使いやすさと見やすさを重視しています。直感的で見やすいダッシュボードで、営業活動の情報を一気に確認できます。
さらに、営業チームの活動状況、生産性、個々の業績などをレポートで確認可能です。
ユーザー数とストレージ容量は無制限なのも特徴で、最大100万件のコンタクトを登録できます。
【提供形態】
クラウド型
【参考価格】
CRM&セールスプラン
Starter 月額5,400円/2ユーザー
Professional 月額54,000円/5ユーザー
Enterprise 月額144,000円/10ユーザー
cyzen
cyzenは、リアルデータをもとに他部署との連携や顧客データの分析、アクティビティの可視化など、さまざまな課題を解決するためのプラットフォームです。
主にスマホやタブレットで使用することを前提に作られたCRM / SFAサービスで、外出先や出張先などで営業マンをサポートしてくれます。
行動予定と場所、進捗状況を地図上で収集して把握、確認が可能です。訪問予定の場所や情報を把握できるので、予定していた顧客を訪問したあと、近くの顧客への「ついで訪問」にも役立ちます。
報告書もスマホで作成できるため、報告書作成のためにわざわざ会社に戻るという無駄を省けます。
【提供形態】
クラウド型
【参考価格】
詳細は要問い合わせ
JUST.SFA
JUST.SFAは、営業支援型のクラウドサービスです。使いやすさを徹底的に追求したインターフェースを採用しており、優れた視認性と操作性が特徴です。必要な情報を一画面に集約できるので、一目で進捗状況や営業履歴、見積内容などを確認できます。iOS、Androidに対応しているので、モバイル環境からもアクセスが可能です。
さらに、MAツールなど、外部システムとの連携(API)も提供されています。他システムと連携することで、最新の営業活動状況を確認しつつ、マーケティング活動が可能になります。
【提供形態】
クラウド型
【参考価格】
詳細は要問い合わせ
Sales Force Assistant
Sales Force Assistantは、経営改善のためのノウハウをシステム化したツールです。電子秘書にAIを搭載したAI秘書が、営業活動をアシストしてくれるのが大きな特徴です。
商談内容は一覧の日報画面に集約されています。そのため一目見て、翌日の予定や連絡事項などをすぐに管理・共有できます。
【提供形態】
クラウド型/オンプレミス型
【参考価格】
クラウド型 月額3,500円~
オンプレミス型 5年利用月額換算 667円
<おすすめ!>営業管理ツール「GENIEE SFA/CRM」
「GENIEE SFA/CRM」はSFA/CRM部門で成長率No.1のツールです。シンプルな機能と低価格が特徴の営業管理ツールで、中小企業を中心とした多くの企業に導入されています。
これまで紙やExcelなどで管理していた営業活動に関する情報を一元管理することで、より業務を効率化できます。また属人化しがちな活動を、ツールによって可視化が可能になります。
シンプルで使いやすい機能
「GENIEE SFA/CRM」は、シンプルで直感的に使えるインターフェースが特徴です。
最小限の入力作業で済み、データの一元管理を簡単に行うことができます。ここでは、「GENIEE SFA/CRM」の代表的な機能についてご紹介します。
・商談管理ビュー
商談をかんばん方式で確認できます。一覧で表示できるため、商談の進捗具合を直感的に確認できます。
また、各商談はドラッグ&ドロップで簡単に変更可能です。
・グラフ作成機能
売上実績や着地見込み、達成率などのさまざまな情報を、棒グラフや円グラフなどで把握できます。予実管理やメンバー別の進捗率、受注率などの分析にも役立ちます。
・レポート管理
登録したデータは、人気の項目と条件で抽出可能です。さらに設定した項目や条件は保存できるので、定期的にデータを確認する際に便利です。
・名刺管理機能
「GENIEE SFA/CRM」アプリは名刺をスキャンすることで、自動でデータを登録できます。
・項目設定
プログラミングなどの専門知識が無くても、簡単に入力項目をカスタマイズできます。また、営業方針などの変更に合わせ、柔軟な項目設定が可能です。標準オブジェクトだけでなく、新しいオブジェクトも作成できます。
・タスク管理
自社の担当者や顧客ごとにタスクを設定できます。たとえば管理職が部下のタスクを把握すれば、アクションの改善や制度の高いマネージメントを実現可能です。
・アプリに対応
スマホアプリにも対応しており、情報の閲覧や更新が可能です。
・他システムと連携も可能
「Slack」や「Chatwork」と連携可能です。営業に関する状況が更新された時や見込み顧客を確認した時などに、通知を自動で送ることができます。それ以外にも、メールやカレンダー、Googleマップとの連携も可能です。
使いやすい低価格
「GENIEE SFA/CRM」では、料金プランが3つ用意されています(※1)(※2)。
・スタンダード 3,480円
・プロ 5,480円
・エンタープライズ 9,800円
上記の4つのプランがあり、その中かから最適なプランを選ぶことができます。
(※1)2024年3月現在の金額です
(※2)最低10ユーザーからの契約で、契約期間は1年です
セキュリティ対策
「GENIEE SFA/CRM」は技術的・組織的とさまざまな観点からセキュリティ対策が施されています。
・定期的に脆弱性診断を行っている
定期的にネットワークやシステムの脆弱性診断を行っています。脆弱性が見つかった場合は即座に対応しています。
・業界トップクラスのクラウド環境
業界トップクラスとされるAWS環境を採用しており、常に最新のセキュリティ状態を保っています。
・プライバシーマーク認証
「GENIEE SFA/CRM」はJISQ15001に適合しています。
「GENIEE SFA/CRM」の導入事例
ここからは「GENIEE SFA/CRM」の導入事例として、スマートソーシャル株式会社様の例をご紹介します。
スマートソーシャル株式会社様は、多くのハイエンドクライアントへ向けて、ソリューションやクリエイティブ、ヒューマンリソースの各事業を展開しています。営業活動が属人化し、業務に無駄があることや状況把握や分析ができないことなどに課題を抱えていました。以前にもこうした問題を解決するべく、いくつかのツールを取り入れて業務の可視化を試みたものの、機能と価格がマッチせず、満足のいく結果は得られなかったそうです。
そうした背景もあり、新たなツールを取り入れることは無駄ではないかという空気が社内に流れていました。一方で、さらなる飛躍を目指すためには業務状況を洗い出し、戦略の基にする重要性も実感していたため、顧客管理・営業管理ツールの導入を本格的に検討するようになったそうです。
そうした中で「GENIEE SFA/CRM」を見つけ、機能や価格面のシンプルさから活用を決めてくださいました。導入後は過去の営業データを登録していくことから始めたそうですが、クライアント情報がまとまった既存のExcelファイルをインポートするだけで作業が済み、導入もスムーズだったようです。
無料トライアル期間も用意
「GENIEE SFA/CRM」は、14日間無料で試せるトライアル期間が設けられています。トライアル期間中でも不明な点があれば迅速にサポートしてもらえるため、営業管理ツールの導入をお考えの企業は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか?