KPIとは?SFAツールと組み合わせた営業管理法

更新日:2023.02.22 / SFA 

KPI 重要業績評価指標
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「営業成績がなかなか目標に近づいていかない…」。
営業畑にいれば、誰もが抱える悩みです。しかし、やみくもに動くだけでは作業効率が悪くなるばかりです。
では、どこをどのように変えていけばいいのでしょう?
ここでは明確な目標を設定し、そこに至るまでのプロセスを具体的な行動に落とし込む「KPI」を活用法を紹介します。

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営業管理で重要な役割を果たすKPI

営業管理で重要な役割を果たすKPI

KPI(key performance indicator)とは、目標を達成するために必要なプロセスをモニターするための指標です。日本語では「重要業績評価指標」と呼ばれますが、設定した目標を達成するために必要な業績を達成できているかを判断する根拠となる指標です。

とはいえ、KPIを設定することは決して難しいものではありません。誰もが一度は悩まされた「夏休みの宿題」と同じです。

「新学期の初日に宿題を全部提出するには、どの課題をどれくらいのペースでやっていけばいいかな」

これは、「今四半期に1,000万円の売上を作るには、1週間あたりの作業量とその内容をどう設定すればいいだろう」ということと同じなのです。

目標とする成果の量とそれを達成する期限を設定し、そこから逆算して月間、週間、さらには1日あたりどんな作業をどれだけ消化すれば良いかを小目標として設定する。そして、設定した小目標が達成されているかどうかを測定し、管理していく。つまり、目指すゴールに向かってどのようなコースをたどるかを逆算して設定する。これがKPIの考え方です。

 

KPIとKGIの違い

KPIと似ている指標としてKGI(Key Goal Indicator)があります。KGIとは、日本語では「重要目標達成指標」と呼ばれ、目標を目指して活動する際に達成度合いを測定するために使用する指標です。

KPIもKGIも目標の達成度合いを可視化する指標という点では同じですが、評価対象が異なります。KPIは目標達成のためのより小さな部門レベルでの活動の達成度合いを表し、KGIは最終目標の達成度合いを表します。構図としては、KGIの下にKPIが重なるというイメージです。KPIの下にさらにKPIが連なる場合もあり、全体が木の枝のような図になることから、「KPIツリー」と呼ばれることもあります。

 

KPIを設定すると期待できる効果

評価指標として適当なKPIを設定することで期待できる効果には、「統一指標を作ることができる」「営業メンバーのモチベーションが向上する」「PDCAを回しやすくなる」の3つが期待できます。

 

統一指標を作ることができる

計測可能な指標としてKPIを設定することで、組織やチームメンバー同士で目標を共有し、効率良くゴールを目指すことができます。企業において最終的な目標は利益を出すことですが、目標がなければどういう努力をするべきなのかが不明確になります。目標が曖昧であるがゆえに個人毎に解釈さればらつきが出て、チームとして動くには無駄が多くなるでしょう。

それを防ぐには、目標到達までの過程をなるべく具体化し、指標に沿って達成度を可視化することです。例えば、「来年の利益額を今年より10%増やすために、Google経由での来店者数を10%増やすことを目的としよう。その他にもSEOを強化し、リスティング広告を増やしていこう」といった具合に行動を具体化します。

目標達成までの統一指標を作って道筋が可視化されることで、メンバー全員が足並みを揃えて営業することが可能となるのです。また、責任者が部下を評価する時の指標として使うこともでき、平等な評価を与えることもできるようになります。

 

営業メンバーのモチベーションが向上する

KPIを設定することで、営業チーム間での目標が明確に共有され、具体的に指標が見えることで何をどこまですれば良いかが明確になり、営業メンバーのモチベーションの向上につながります。例えば、「業務効率化」という曖昧な目標だと、メンバーの貢献度は管理者の主観で決まってしまいます。

そこで、KPIとして「営業での労働時間を15%削減」という具体的な目標を立てることで、各メンバーの達成度合いが客観的に見える化がされ、メンバーの努力も可視化されモチベーションの維持向上に貢献できます。目標を達成できなかった営業メンバーがいたとしても、目標が具体化されていることで、何故達成できなかったのかが明確になり、修正や改善を加えることも容易になります。

 

PDCAを回しやすくなる

KPIの設定は、目標を達成させるためのものだけではありません。目標を達成できなかった場合に、KPIの指標として数値化されることで問題点を把握しやすくなります。

例えば、新規の問い合わせ件数はクリアしていたものの、新規商談件数が達成できなかった場合、ホットリードを引き継ぐプロセスに問題があったのだと仮定できます。また、他の指標はクリアしているのに平均受注単価が未達な場合、営業の方法や訴求商品の見直しが必要になるかもしれません。なぜ到達できなかったのかを素早く発見し改善していくことで、PDCAを回しやすくなるメリットがKPIの設定にはあるのです。

 

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営業管理で設定されることの多いKPI指標

実際に営業管理で使えるKPIについてご説明します。営業管理で設定されることの多いKPIは以下の通りです。

 

訪問件数

営業成績を上げるために必要なことはいくつかありますが、その中でも重要といえるのが「訪問件数」です。外回りの営業では、訪問件数を上げて営業機会を増やすことが受注件数の増加につながります。ただの営業機会というわけではなく、成約可能性の高い営業機会です。

例を挙げると、投資用物件の営業の場合、不動産投資に興味のある富裕層へ営業することが、受注件数の増加を見込める営業機会と定義できます。一方、収入の少ない学生に不動産投資の営業をかけても成約は見込めないため、いい営業機会とはいえないことは明らかです。

 

成約率

営業において最も大切な目標は、見込み客の成約率(コンバージョン率)を上げることです。コンバージョン率は「成約件数÷営業件数」で求めることができます。

例えば、訪問件数が月100件と多い営業マンが居たとしても、コンバージョン率が1%だったとしたら、成果はわずか1件でしかありません。仮に成約率が25%の営業マンなら、100件の訪問件数で25件の成果を出すことができます。このように、訪問件数だけでなく成約率にも着目しておく必要があります。

そこで、成約率をKPIに設定することで、営業マンの意識向上につなげていきましょう。成約率が低い営業マンがいる場合には、対応策としてクロージングが得意な営業パーソンを同行させることでKPIを達成できるかもしれません。

 

営業案件数

営業案件数とは、各営業パーソンが今抱えている営業案件数を指します。営業案件数が少ないと、営業マンのリソースを活かせていないということです。逆に多すぎると営業案件の対応が雑になる場合もあり、バランスが重要になります。そこで、各営業マンが抱える営業案件数をKPIに設定することで、多すぎず少なすぎずのバランスを保つ指標とするのです。

 

顧客単価

顧客単価をKPIに設定することもあります。単純に粗利が5万円の商品を2人に売るよりも、粗利が100万の商品を1人に売った方が、売上に与えるインパクトが大きいことは容易に想像がつくでしょう。

顧客単価の目標をKPIに設定して達成を目指すことで、企業の利益を増やすことにつなげることができます。どの商品で売り込みをかけるかの見直しにも繋がり、営業部署全体で取り組むことで売上を高めることができるでしょう。

 

KPIの設定は自社の数字の把握から

KPIの設定は自社の数字の把握から

KPIを的確に設定するためには、自社の営業に関わる数字を把握しておくことが前提になります。これは、これまでの営業実績を「スタートからゴールへ」順にたどっていけばすぐわかります。

見込み顧客リストをもとに電話を入れ、どれほどのアポが取れたか。訪問から受注に至ったのは、どれほどの割合か。こうしたプロセスごとの数字が見えていれば、「どの作業を何件こなすべきか」というラインが見えてきます。例を挙げて見てみましょう。

  • 架電でアポが取れる割合 20%
  • 訪問から契約が取れる割合 10%
  • 今四半期の売上目標 1,000万円
  • 平均単価 100万円

実際にはもっと多くの要素が関わってくるのですが、できるだけ簡略化してみました。さて、この条件から目標である「今四半期の売上1,000万円」を達成するには、どのようなプロセスを踏めば良いでしょうか?

目標としている結果から逆算すると、次のようなことになります。

 

【KPIの例】

四半期の契約社数        10社(1,000万円÷100万円)

四半期の訪問社数        100社(10社÷10%)

月間の訪問社数           約33社(100社÷3ヵ月)

月間の架電件数           約167件(約33.3社÷20%)

週間の訪問社数           約8件(約33.3社÷4週)

週間の架電件数           約42件(約166.5件÷4週)

このように、業務の流れを意識した上で、それぞれのプロセスでどれだけの作業あるいは成果を達成する必要があるかを明確にし、マネジメントすることが目標達成の指標となるのです。

 

営業管理はSFAツールが最適

これらの数字を可視化するだけならば、エクセルでも可能です。ですが、エクセルはあくまでも表計算ソフトですし、こうした作業は専門外です。例えていえば、スマホを文字入力デバイスとして使うようなものでしょうか。ちょっとしたレポートやメールなどは問題ありませんが、ボリュームのある報告書を書き上げるには、やはり不向きでしょう。キーボードのほうが楽ですし、しかも早く入力ができます。

ですから、営業における案件管理・行動管理にはやはり、そのために作られた営業支援システム「SFA(Sales Force Automation)」ツールを使うのがベストです。SFAツールを使えば数字の管理はもちろん、顧客とどのようなコミュニケーションをとったのか、その履歴を残すことができますし、行動を可視化することができます。そしてそこから「いつ、どんなアクションを起こすか」を設定し、それが実践できているかを確認することもできます。

KPIに沿った案件管理や行動管理が、SFAツールによって実現できるのです。

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目的と目標をセットで理解させる

目的と目標をセットで理解させる

ここまで時間軸に合わせた目標数値の設定やSFAツールの活用など、デジタルな話に終始してきました。ですが、現実問題としてそれだけでは人は動きにくいものです。

毎週8社をコンスタントに訪問し続ける。40件、50件という電話を入れ続ける。「その先に何があるのか」がわからないまま、数字ばかりを追い続ける作業は、決して楽しいものではありません。「この作業に、どれほどの意味があるのか」「この仕事が、自分のために果たして役立つのだろうか」営業マン自身がそうした漠然とした疑問を感じることもあるはずです。

この場合、マネージャーは個々の営業マンに対して「目的と目標をセットで理解させる」ということが必要になります。

それがどんな業務であれ、現在の仕事は必ず将来の役に立ちます。若いメンバーであればなおのことでしょう。彼が今携わっている業務は、彼自身の将来を実現するために必ず役立つはずなのです。それを理解させる、理解するサポートをするということが必要になります。

例えば「将来は起業したい」というイメージを持ったメンバーがいたとしましょう。起業し経営者として組織を運営するなら、数字の管理は欠かせません。目標数値、そこに至るまでの過程での数値を、きちんと管理する必要があります。それは今まさに、営業マンとして求められていることでもあります。つまり、今の仕事が将来の自分に役立つのです。

自身の将来像がよく見えていないというメンバーもいるでしょう。そんなときは本人のキャリアをどのように作っていくのかを聞き出して、自分の将来像をイメージし、そこに今の仕事がどう役立てられるのかを指導していくというやり方をとれます。

 

自分のシステムを知れば失敗せずに済む

KPIで数字を管理し、足りない部分を詰めていくことは大事です。しかし、営業マンが自発的に動くようになるには、前述のような「日々の業務と個々の営業マンの将来の方向性を合致させる」という作業も必要です。

こうした個々のメンバーのサポートは、定期的な面談を行ってマネージャーが指導することが第一です。またそれとは別に、より気楽なメンバー同士でのコミュニケーションの中で本人に気付かせる、というやり方もあります。

それは「自分のシステムを明らかにし、メンバー間でシェアする」という手法です。自分の「勝ちパターン」「負けパターン」を掘り返してみて、どうすればうまくいくか、どうすれば失敗しないかを明らかにし、それをメンバー間で共有するのです。

例えばある人は、次のようなシステムを持っていました。

 

モチベーションが上がる

やる気が出る

成果が出る

モチベーションが上がる

 

このパターンに乗ると何をするにも気持ちが前向きになり、物事がうまく回っていきます。つまりは勝ちパターンの好循環です。
ところがこの人は「あれこれ手を広げてしまって、いつも失敗する」という面も持ち合わせていました。これを分析してみると、

 

モチベーションが上がる

やる気が出る

いろいろなことをやりたくなる

時間と気持ちの余裕がなくなり、仕事が粗くなる

成果につながらない

モチベーションが下がる

 

つまり、この人が失敗しないためには、「やる気が出たときに、調子に乗って手を広げすぎないこと」が失敗しないコツだということになります。

こうした個々のメンバーのシステムを知り、メンバー間で共有することで、個人としてもメンバー同士でも、それぞれにとってベストな行動をとれるようになります。

 

営業日報はSFAツールを活用する

営業日報はSFAツールを活用する

営業日報については、その必要性についていろいろな意見が飛び交っています。

ですが、営業日報は個々の営業マンの作業報告であり、同時に顧客とのコミュニケーション履歴です。それをただ単に「上司への報告書」として使うだけでは、とてももったいないことです。そこには、営業力の改善を図るために必要な多くの情報が眠っているのですから、うまく活用すれば営業力の底上げにもつながっていくでしょう。

こうしたことから、近年では多くの企業がSFAツールを導入するようになってきました。営業日報としての機能はもちろん、広範で強力なセールスマネジメントツールの機能を備えています。多くがクラウドを使ったサービスとして提供されていますので、「営業先を回りながら最新情報にスマホでアクセスし、商談が済めばその結果をすぐに更新して次の訪問先へ向かう」といった、機敏なアクションを可能にしてくれます。

こうしたSFAツールを使えば作業効率が上がるので、営業力の底上げにつながります。

SFAツールは、すでにスマホやタブレットなど広範囲に普及しています。一覧性も検索性もない紙媒体での営業日報からは、今すぐにでも卒業すべきでしょう。

 

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SFAが計画達成に貢献する

目標を達成するためには、細かな計画が必要です。登山のように、山頂というゴールだけを見ていては、途中の崖などの障害物に気づかず、計画通りに進むことはできません。 遠くのゴールだけでなく、近くの小目標を達成し、状況に応じて計画を変えていく必要があるのです。

計画を正しく遂行するためのサポートとして、日報や営業成績を管理するSFAツールをご紹介しました。 SFAツールを使えば、管理しにくい個人の予算管理や日報管理をまとめて行うことができ、計画の遅れや進捗のズレに気づきやすくなります。
KPIを1つずつクリアしながら最終的な営業目標を達成できるよう、SFAの力を使ってみてください。

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