ABMとは?マーケティングで知っておきたい営業戦略を解説!

更新日:2024.04.01 / ビジネス戦略 

ABMとは?マーケティングで知っておきたい営業戦略を解説!
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一口に営業戦略といっても、具体的な手法は多岐にわたります。そのなかでも、特にABMは注目されており、積極的に取り入れようとする企業が増えました。しかし、やみくもに実施しても十分な効果は期待できません。ツールの運用などを視野に入れることも大事です。そこで、本記事ではABMの概念やプロセスを説明し、導入方法が分かる情報も詳しく紹介します。

ABMとは?

ABMとは、「Account Based Marketing(アカウント・ベースド・マーケティング)」の頭文字を連ねた略称です。できるだけ多くの顧客に働きかける従来のマーケティング手法とは異なり、自社にとって価値が高い顧客のみをターゲットにします。絞り込みを行いながら、戦略的にアプローチしていくことが基本的なスタンスです。そのため、実施にあたって汎用性が高いコンテンツやメッセージを用意するわけではありません。ターゲットの企業が抱える悩みに着目し、それらの解決につながるものを発信していきます。

広範囲にわたって囲い込むビジネスモデルとは真逆であり、ピンポイントでリソースを注ぎ込むことが大きな特徴です。顧客をしっかりと理解したうえで、その情報を一元管理するマネージメントが必須となります。

ABMが注目される背景は?

ABMは、どうして注目を集めるようになったのでしょうか。ここでは、その背景について解説します。

意思決定方法のボトムアップ方式への変化

企業の意思決定の形は、大きく2つに分けられます。1つ目は、上層部があらゆることを決めるトップダウン形式です。トップダウン形式は、まだ多くの企業で採用されていますが、現代のビジネスには適さなくなってきました。上層部の判断を待たなくてはならず時間がかかるため、決定の内容が現場の実情にそぐわないケースもあるのです。

これらの課題をクリアするため、2つ目のボトムアップ方式を採用するケースが増えました。ボトムアップ方式の意思決定の起点は現場であり、そこから出るデータやアイデア、提案などが判断材料に使われます。ABMは、個別の顧客にフォーカスするため、現場のやり取りを重視するボトムアップ方式と相性が良いため、導入する企業が多くなっている傾向です。

MAやCRMの普及

MA(マーケティング・オートメーション)やCRM(顧客管理システム)の普及も、ABMのニーズの高まりを後押ししています。なぜなら、これらのツールの台頭によりスムーズな顧客の解析ができるようになったからです。ABMの実施には、精度の高い情報で構成される下地が欠かせません。従来は、自社にとって価値のある顧客を見極めようとしてコミュニケーションなどを何度も繰り返す必要がありました。そのため、ABMを運用できていたのはリソースに余裕がある少数の企業だけです。

一方、ツールをうまく使えば上記の下地づくりにかかる時間や工数を削減できます。これにより、ABMを実施する効率が飛躍的にアップし、多くの企業に導入されるようになりました。

ABMを導入するメリット

企業がABMを適切に導入すると、ビジネスの好ましい展開につながる効果を多く得られます。ここで紹介するのは、特に有益な3つのメリットです。

自社のリソースを集中できる

営業の対象となる企業が多いと、その分だけ自社の人材やお金を分散させることになります。数社との取引が成功したとしても、それら以外に費やしたリソースは意味がありません。ABMでは、マーケティングの対象を絞り込むため、このような無駄の抑制が可能です。後述のプロセスを経て決定した相手に、最初から徹底的にリソースを集中させます。言い換えると、それ以外の相手を早々に切り捨てることもポイントです。

ターゲットを幅広く設定する営業手法とは、マーケティングの方針自体が根本的に異なります。網羅的なアプローチを繰り返していると、効果の低い施策も次々と生まれかねません。このリスクを軽減できることは、大きなメリットです。

売上につながりやすい顧客に絞ってアプローチできる

絞り込まれた顧客には、売上に直結しやすいという共通点があります。ABMの選定に使う基準は、自社の事情によって調整が可能です。とはいえ、やはり企業活動の最終目標は収益拡大となるため、一般的には売上への貢献度を基準にします。選ばれた優良顧客にアプローチしていると、短期間で成果が大きくなりやすい傾向です。また、アプローチの前提として、深いレベルで実施するターゲットの分析も重要といえます。なぜなら、分析で得た知見からターゲットが必要とする要素を推察できるからです。

また、データをもとに価値の高いコンテンツの配信も可能となります。結果的に、相手はコンテンツに興味を引かれることから、こちらへの期待度が高まるというわけです。

営業とマーケティングが連携しやすい

ABMを導入していない企業では、営業とマーケティングの部門は独立しているのが一般的です。まず、マーケティング部門がリードを創出し、営業部門はそれを活かして活動します。両者は、異なる視点で業務を遂行しており、メインの目標すら共有できていないことも多い傾向です。その影響により、企業の施策に統一性がないことも珍しくありません。例えば、マーケティング部門はリピーターの獲得を目指し、営業部門は新規顧客の開拓に力を入れるといった具合です。

一方、ABMを実践した時点で顧客の需要や遭遇している課題などが明らかになります。この状況を前にして、どちらの部門も同じ視点を持つようになるのです。部門の垣根を越えて連携を取ることが当然の環境となることから、そもそも両者が独立して機能し続けるような事態にはなりません。

ABMを導入するデメリット

ABMの導入には、デメリットがあることも覚えておきましょう。多様な顧客に幅広くアプローチしてきた場合、ターゲットを絞るABMへの切り替えはハードルが高いです。理論的に方法が分かっていても、かなりの時間をかけないと運用を軌道に乗せられません。前述のとおり、ABMは営業部門とマーケティング部門の連携が前提となるため、両者の関係が良好でないと失敗しやすい傾向です。

また、ABMをせっかく導入しても自社に適していない可能性があります。例えば、自社の商材が全世代向けで男女のどちらも使えるものであれば、ターゲットを絞りすぎることは逆効果です。このように、商材の性質なども影響するため、すべての企業に向いている手法ではありません。

ABMが向いている企業の特徴

ターゲットを絞り込んでアプローチしても、顧客との取引額が小さいと非効率です。別の見方をすると、一顧客あたりの取引額が大きいケースに限り、AMBを実践すると効率的に稼げる見込みがあります。新規契約の成功でまとまった収益を得られる場合、リソースの積極的な集中は投資として合理的です。また、MAやSFA、CRMなどのツールを導入済みの企業にも向いています。ABMには、蓄積された顧客のデータが不可欠です。すでに、ツールで多くのデータを獲得していればABMをスムーズに始めやすくなります。

なお、商品やサービスのラインナップが豊富な企業も効果を期待できるでしょう。なぜなら、有望なターゲットにさまざまなアプローチを行うことができ、アップセルやクロスセルによる顧客単価の上昇につながりやすいからです。

ABMの効果を大きくしたいなら、適切な方法で取り組むことが大切です。企業によって細かな差はありますが、基本的には以下の3つのプロセスで実践していきます。

1.ターゲットを選定する

最初のプロセスは、営業のターゲットを選ぶことです。さまざまな観点で、自社の利益に結び付きそうな企業を選定します。ポイントは、いきなり絞り込むのではなく、まず情報収集を徹底的に実施することです。営業部門とマーケティング部門が協力しながら、調査しなければなりません。時間を短縮したい場合は、法人リストを買うことも効果的な手段です。また、判断の精度を高めるために企業が抱えている問題を考慮する必要があります。自社との親和性も把握し、競合他社と付き合いがあるのかチェックすることも大事です。こうして多角的に検討を繰り返しながら、自社に合うターゲットの見極めを着実に進めていきます。

2.アプローチ方法を決定する

ターゲットを選んだあとは、アプローチする手段を決めます。最初に、ターゲットがどのような流れで購買を検討するのか整理しなければなりません。それを下地として、成功率が高いアプローチのタイミングや方法を判断します。また、用意するコンテンツの基準はターゲットのニーズを満たせることです。当該企業が直面している課題を解決できるコンテンツも購買意欲を促進します。いずれにせよ、「自分たちのビジネスに役立つ」という認識を与えるアプローチが必要です。

ただし、これらの準備ができても、やみくもに提供しようとすることはおすすめできません。コンテンツの特性やターゲットの事情などを踏まえたうえで、有効な配信方法を慎重に決定しましょう。

3.施策を実施しPDCAを回す

ここまでのプロセスで策定した戦略に従って、実際にアプローチを行います。それだけで終了するのではなく、効果を測定するためにモニタリングを実施することも重要です。測定結果をもとに達成度合いを判断すると、期待していた水準には及ばないと分かるケースもあります。この場合は、何がネックになっているのかについて検討し、効果的な改善策を打ち出すことが大切です。すぐにあきらめて他の企業に移っていては、「ターゲットにリソースを集中する」というABMの方針から外れてしまいます。

そのため、測定結果を重視かつフィードバックとして活用しながらPDCAを回すことが必須です。こうして何度も次のアプローチにつなげていると、次第に成功率や得られる収益が高まっていきます。

ABMを実践するときにおすすめのツールとは

ABMでは、ターゲットの獲得や育成のプロセスにおいて多くのリソースを投入します。リソースの無駄をなくして効率を高めるためには、ツールを積極的に利用することが一般的です。ここでは、ABMを実践するにあたり、特に貢献度が大きなツールを紹介します。

マーケティング活動を自動化するMA

前述のMA(マーケティング・オートメーション)は、ABMの下地となるツールといっても過言ではありません。なぜなら、顧客獲得に必要なマーケティング施策を管理し、手間がかかる一連の作業を自動化してくれるからです。顧客情報を収集する機能も備わっているため、データを蓄積しながら管理していくこともできます。さらに、データの可視化なども得意で営業に使うマーケティング施策の分析にも使用可能です。問題点をスムーズに抽出できるため、コンテンツやアプローチの改善に役立てている企業も少なくありません。また、データ共有の機能により営業部門とマーケティング部門の連携を促進する役割も担っています。

ABMの実践に特化したABMツール

MAは、ABMに有効ですが、あくまでもマーケティング全般を対象としたものです。一方で、ABMの実践だけを想定しているツールもあります。優良顧客の分析や抽出など、営業戦略に特化した機能を有していることが特徴です。他の営業戦略には活用しづらいですが、ABMのサポートに関する費用対効果はとても優れています。そのため、営業やマーケティングの支出を抑制しやすい傾向です。

また、上記の機能をうまく活用するとターゲットにする企業の選定や分析をスムーズに行えます。リードに関する情報を統合的に管理できるため、効果的なコンテンツも検討しやすいでしょう。エンゲージメントを測定し、結果を考慮してアプローチの仕方も工夫できます。

営業活動を幅広く効率化できるSFA・CRM

SFA(セールス・フォース・オートメーション)という営業支援システムも、よく使用されています。これは、営業活動の効率化を目的として営業に関する情報の管理を手軽に行えるものです。企業に対するコンタクトの状況や、商談の内容を把握しやすいため、ABMでは主に戦略立案の役に立っています。

また、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)も使用頻度が高い傾向です。このツールは、一般的な顧客情報だけでなく顧客とのコミュニケーションも一元的に管理できます。そのため、優良顧客になりうるターゲットの見極めに効果的です。候補が多い状況でも、自社との相性などを検証しやすくなります。

営業管理ツールを導入してABMの下地を作ろう!

ABMを効率的に実施したいなら、営業ツールをうまく活用しなければなりません。どれが良いのか検討しているなら「GENIEE SFA/CRM」を選ぶのが得策です。顧客管理や分析などの基本的な機能だけでなく、商談や名刺の管理といった便利な機能も備わっています。グラフ作成によるデータの可視化もしやすく、外部ツールとの連携も難しくありません。

このようなABMに活かせる機能が多く持つだけでなく、月額3,480円~という低コストで使えます。また、要約のような面倒な作業を支援する「AIアシスタント」も利用が可能です。個別相談で導入の案内を受けられるため、短期間で運用をスタートできる点も魅力といえるでしょう。

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ターゲットを深く分析してABMを成功させよう!

ABMの成功に欠かせない要素として、ターゲットに関する徹底的な情報収集が挙げられます。また、入手したデータを使って深く分析する作業も不可欠です。これらを手作業で行うと、膨大な時間がかかってしまうため、ビジネスチャンスを逃しかねません。そのようなリスクを回避するためにも、便利なツールをうまく活用していくことが大事です。できるだけ早く導入して、顧客情報の収集や分析を効率化しABMを成功させましょう。

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