営業体制を構築する5つのステップとは?営業組織の整え方とそのメリット
近年では営業プロセスの効率化が重視されており、「人が入れ替わっても強い営業力を保持する」組織化が注目を集めています。とはいえ、理想的な営業体制を構築しようにも見直し方や具体的な取り組みが分からず、つい後回しにしてしまうケースも少なくありません。
人材不足やノウハウの共有が足りないなど、現在の営業体制に不満を覚えている場合は、将来的な企業成長に繋げるためにもこの機会に営業組織を整えることがベストです。
この記事では、理想的な営業組織とはなにか、営業体制の構築に必要な5つのステップについて徹底解説します。
この記事を読んでわかること |
✔︎ 営業体制を構築する目的とは何か ✔︎ 営業体制を整えるメリット ✔︎ 優れた営業体制を整えるための手法 |
理想的な営業組織とその目的について
営業体制を構築するうえで、「理想的な営業組織を作る目的」は非常に大切です。営業組織とは、企業や個人のニーズを見極め、自社の商材やサービスに関する売買契約の締結を目的とした組織です。
「営業は契約数さえ伸びれば良い」と考える人も少なくありませんが、強引な営業活動によって企業イメージが低下し、将来的な企業成長が遠のいてしまう可能性も否定できません。
理想的な営業活動では、ターゲットとなる顧客のニーズを把握して、最適な提案と顧客の理解を経て契約を結ぶことが大切です。そのためには、スムーズな情報共有とスピーディな連携力によって、チーム一丸となった営業組織で対応力を向上させる必要があります。
いわば理想的な営業組織とは、部署内のコミュニケーションや連携力に優れ、見込み顧客に向けて円滑なアプローチを行える体制だと言えるでしょう。
その目的に、従来は一人ひとりの属人的な働きで済ませていたことを最小限に抑え、「組織として効率よく活動できる」「人が入れ替わっても強い営業力を実現する」「顧客満足度を向上させる」が挙げられます。
営業組織を構築する2つのメリット
担当者ごとに顧客の対応が留まっている属人的な営業活動は、すでに時代遅れだとされています。特に近年では人材の人手不足なども課題視されており、各プロセスの効率化は必然とも言えるでしょう。
営業組織を構築するメリットには、主に以下の2つが挙げられます。ここでは、最適な営業体制の実現によって得られる2つのメリットについて解説します。
- 継続的な組織の成長を促せる
- 組織全体の営業生産性の向上
継続的な組織の成長を促せる
最適な営業体制を実現すれば、継続的な組織の成長を促せるのがメリットです。従来の営業活動では、進捗状況が可視化されておらず、担当者以外の顧客フォローが難しくなっていたり、マネジメントがしづらくなっていたりした事例も多く見られます。
そこで、案件の進捗管理なども含めて見える化できる営業体制を構築すれば、マネジメントがやりやすくなるのがメリットです。チーム一丸となった顧客のフォローアップで「顧客満足度」が高まるほか、事例をデータとして共有することでそれぞれのノウハウをデータ化できます。
加えて、好まれやすいアプローチやフェーズごとの営業活動をデータ管理・流用すれば、新人教育も効率化できます。
新人教育に掛けるコストも抑えられるほか、トップセールスマンの退職にも揺らがない営業体制を構築しやすくなり、優れたコストパフォーマンスで組織の成長を促せるのもポイントです。
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組織全体の営業生産性の向上
組織全体の営業生産性が向上するのも、営業体制を構築するメリットのひとつです。従来では、トップセールスマンに依存している営業組織も多く見られ、個々の社員ごとに成果が大きく異なる事例も少なくありませんでした。
そこで、見込み顧客へのアプローチ手法や成約事案などをチーム全体に共有する営業体制を構築すれば、ノウハウを共有できるのがメリットです。メンバー全体の能力を均一化しやすくなり、トップセールスマンの優れたノウハウをもとに、組織全体の営業能力を高める効果も期待できます。
その結果、組織内のバラつきをなくし、属人的な対応が求められていた状況も改善できます。さらに、「自社独自の最適な営業手法」を見つけやすくなるのもポイントです。組織全体の営業生産性だけでなく、顧客獲得力にも直結するノウハウを蓄積しやすくなります。
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営業体制を構築する5つのステップ
日本商工会議所が2023年9月に発表したアンケート調査では、約7割(68%)の中小企業が「人手不足」を実感しています。今後ますます人材不足が進む日本業界では、効率的な営業体制の構築が欠かせません。
営業体制を構築するうえで欠かせない5つのステップは以下のとおりです。ここでは、営業体制を構築する5つのステップについて解説します。
- 自社内の課題の洗い出して明確にする
- 目標の設定と計画の作成
- 強みを活かした人事配置
- 明確な人事評価の設定
- 営業組織管理ツールを導入する
1. 自社内の課題の洗い出して明確にする
効率的な営業体制を構築する前に、まずは自社内の課題を洗い出して「どう改善すべきか」を明確にする必要があります。組織的な営業体制を整える際、よくある課題として見るべきポイントは以下のとおりです。
課題として見るべきポイント |
・業務の属人化が起きていないか ・営業成績に差がないか ・社員のモチベーションが上がりにくくなっていないか ・顧客管理・共有する体制が整っているか ・進捗状況の見える化ができているか ・人材教育のリソースがあるか |
また、各担当者ごとに異なる課題点をチェックすることも大切です。具体的には、以下のようなチェックリストが挙げられます。
営業担当者 | 管理者 |
・営業目的を認識できているか ・顧客のニーズを深掘りできているか ・具体的な目標計画を立てられているか ・業務中に感じた課題を改善しようとしているか |
・マネジメント業務を滞りなく行えているか ・管理者としての役割を理解できているか ・組織全体がスムーズに動けるよう他部署と連携しているか |
2. 目標の設定と計画の作成
営業体制を構築するときは、目標の設定と計画も作成する必要があります。具体的には、KPI(重要業績評価指標)とKGI(重要目標達成指標)です。
KPI(Key Performance Indicator)
目標の達成度合いを表す、KGIを達成するための中間目標
KGI(Key Goal Indicator)
成約数・売上高・利益率など、組織全体における最終目標
目指すべきKPIやKGIは企業によって異なり、他社を模倣すれば良い、というものでもありません。営業組織における一般的なKPIでは、以下のようなものが挙げられます。
商談数/案件数/見積書の提出件数/サンプル提出率/受注率/アポ獲得数/成約率/
3. 強みを活かした人事配置
営業体制を構築するうえで、個々の強みを生かした人事配置は欠かせません。マイナス面よりもプラス面が活かされる人事配置を行えば、効率的な営業組織の運営を実現できます。例えば、営業部におけるそれぞれの強みは以下のとおりです。
課題として見るべきポイント |
・コミュニケーション能力が高くチーム間のやり取りを円滑に運べる人 ・ロジカルシンキングで物事の課題を論理的に解決できる人 ・プレゼンテーション能力に優れ説得力のある説明ができる人 ・トラブル対応に長けており誠意ある行動と態度で信頼回復に務められる人 |
たとえば、ロジカルシンキングに長けた人を電話番においても、業務効率の改善は望めません。データの分析能力に長けていると分かれば、属性やニーズの深掘りなど顧客の分析業務に充てると言えます。
一方で、営業体制を複数のチーム制にする場合は、コミュニケーション能力の高い人をリーダー格に置くとチーム間での連携力を高める効果が期待できます。個々の能力によって、どのような人事配置をすべきかは異なるため、営業体制の刷新に合わせて自社の人材がもつスキルを把握することが大切です。
4. 明確な人事評価の設定
営業体制の構築に合わせて、明確な人事評価を設定することも大切です。明確な人事評価とは、個々のメンバーごとに絶対評価を設け、基準に基づいて成果を正当に評価する仕組みを指します。
たとえば、営業全体のKPIだけを目標にしてしまうと、個々の働きが明確に評価されず、モチベーションの低下に繋がってしまうのは避けられません。主体性を損なってしまえば営業組織としての行動力にも影響を与えるため、個人ごとの絶対評価をもとに、定期的な人事評価を下す必要があります。
明確な人事評価の設定では、他社と比べる相対評価ではなく、設定目標と自分自身を比較する「絶対評価」で判断することが大切です。他者との比較は優劣における劣等感を抱きやすいほか、適正な判断がしづらい面も否定できません。
適切な人事評価の設定により個々の課題を浮き上がらせ、それを改善できるフロー作りこそ、営業体制を整えるうえで大切な要素だと言えます。
営業組織管理ツールを導入する
営業体制の構築には管理ツールの導入も大切です。先述した通り、営業組織を整えるには明確な人事評価や目標・計画の設定など、「業務状態の見える化」を前提とした目的が多くなっています。
言い換えれば、業務状態の見える化を実現できていないと、効率的な営業体制の構築に失敗してしまうのは避けられません。そのような問題を解決できるのが営業組織の管理ツールです。
たとえば、「GENIEE SFA/CRM」なら顧客管理・案件進捗・商談状況・タスク管理・活動報告・グラフ作成・レポート機能など、さまざまな営業活動の効率化を実現できます。さまざまなデータをツール1つで管理できるほか、直感的に扱えるUIで定着率99%を誇るのも魅力です。
効率的に行える営業体制を構築すれば、商談数や案件数、成約率を引き上げる効果まで期待できます。属人的な活動の改善や、対応スピードを引き上げる効果も期待できるため、営業体制の再構築に合わせてSFA/CRMなど営業支援ツールの導入をおすすめします。
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まとめ
近年では、人手不足などが深刻化しており、あわせて営業組織など各業務フローを効率化することが求められています。特に営業体制の効率化は特に重要視されており、多くの企業で「チームとして活動できる営業体制の構築」が重要視されているのも事実です。
とはいえ、営業体制の構築を考えていても、ノウハウを共有するプラットフォームが用意できていなかったり、データ管理が煩雑で現場担当者の協力を得られなかったりと、さまざまな課題を抱えている事例も少なくありません。
そのようなときは、営業体制の効率化を実現する「GENIEE SFA/CRM」をご検討ください。「GENIEE SFA/CRM」ならスマホ1つで営業状況を一元管理でき、報告前後の効率化からマネジメント、情報共有までスムーズに行なえます。
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