数々のメリットを備えたSFAツール
SFA(Sales Force Automation/営業支援システム)は、実に多くのメリットを備えています。それは、営業一人ひとりにとっても、全体を管理するマネージャーにとっても、チーム全体、会社全体にとっても大きな力となります。
SFAツールを導入するメリットと、それを活かす方法について考えてみましょう。
まずはSFAツール導入目的を明確にし、運用負荷にも配慮する
SFAツールを有効的に活かすために重要なことは、SFAツール導入の目的と説明、そしてSFAツールの運用方法を明確にしておくことです。
漠然とした「売上を上げたい」という目的だけでは、思うような導入効果は得られません。 例えば、「売上を上げるために、現在の営業手法・ノウハウの共有や蓄積を行うことにより、属人的な営業からチームでの営業活動を行う必要がある。そして、蓄積された手法・ノウハウをデータ化し、そのデータを基に分析や共有を行い、新たな手法を見出しPDCAを回す必要がある。そのデータを蓄積・分析のためにSFAツールを導入する。」と目的と説明を明言化にすることになります。
また、過去の成功事例を見ると、入力項目を絞り込んだほうが運用負荷は軽く、長続きする傾向があります。ただし、数値をとり入れ、情報を切り捨てるかの意思決定には、マネージャーの慎重な判断が求められます。場合によっては、経営トップや実際に入力運用する営業メンバーもヒアリングなど行い、SFAツール運用について関与させ自分ごと化させることが秘訣です。
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営業目標達成に向けて、 営業マンが実践するPDCAサイクルの具体例
マネージャーから見たSFAツール導入のメリット
SFAツールの有効活用は、営業チームに多くのメリットをもたらします。 その具体的な例を、マネージャーと営業メンバーそれぞれの立場に分けてお話ししましょう。まずはマネージャー側のメリットからです。
営業戦略立案の基になる、正確なデータを得られる
商材Aは月間20件売れ、商材Bは月間10件売れたとしましょう。
販売数で見れば、AはBの2倍にもなっています。ですが、契約にいたるまでのアプローチ数を見てみると、Aは100件、Bは20件。こんなデータが出ていたとしたら、成約率はAが20%、Bは50%ということになります。
かなりわかりやすい例ではありますが、SFAツールに蓄積された正確な実績データを見れば、成約率から利益率、有望な販売チャネルまでが明瞭になり、マネージャーはより効率的な営業戦略を立てられます。
マネジメントの現場を可視化できる
SFAツールは進行中の商談の件数や、それぞれの確度、進捗状況までを可視化できます。同時に、全体の状況も正確にわかりますから、マネージャーは状況に応じた適確な判断ができます。これは、Excelを使っていては難しい場面も多く見受けられます。
さらに、Slackなどのコミュニケーションツールと連携することで、情報をリアルタイムで共有でき、現場の動きに対するアドバイスを行えるなど、スピーディな対応が可能になります。
データ集計がリアルタイムで可能に
営業チームの活動情報を集計するのは、意外と手間がかかるものです。数値をまとめてグラフ化する作業などは、Excelで行うと時間ばかりがかかってしまいます。 SFAツールならば、そこに手間と時間を取られることはありません。最初のSFAツール運用の設計さえ、きちんと行っておけば、データベースの情報をさまざまな切り口で瞬時に取り出し、表やグラフで視覚的に表示できます。
教育時間の短縮につながる
営業は、顧客とコミュニケーションを取ることで売上を作り出す仕事です。そのため、マニュアルや教育だけでは伸ばすことのできないスキルが存在します。しかし、従来は「勘」という言葉で一括りにされていたスキルも、SFAの導入によって業務プロセスや顧客情報が可視化されることで教育にかかるコストと時間を短縮することができます。
優秀な営業マンの商談履歴やプロセスをSFAを教科書として、体系立てて学ぶことができれば、営業部門全体のスキルが向上するので、教育コストを削減してスキルを向上させることができるでしょう。
営業会議の効率化が図れる
「会議が業務報告から始まる」という企業は、今も多いのではないでしょうか。SFAツールを導入すれば、参加者は会議前に最新の情報を知ることができます。きちんと運用されたSFAツールを用いると、会議では業務報告が不要になり、それを踏まえて「どうするか」という議論から始められるのです。
また、必要な情報はSFAツールの画面をプロジェクターに映せば良いのですから、会議資料を作る必要もありません。
営業メンバーから見たSFAツールの導入メリット
続いて、営業メンバー視点でのSFAツールの導入メリットをいくつかご紹介します。
営業アクションのタイミングを逃さない
多くの案件を抱える営業担当者にとって、全ての顧客にタイミング良くアプローチするのは、意外と大変です。「早く次の提案書を出さないと」と思いながらも、つい先延ばししてしまうというのは、ありがちなことでしょう。
ですが、SFAツールなら個々の案件について、時系列で管理できます。SFAツールで過去の実績を調査し、「最終提案から○日後に再アプローチする」というように設定しておくと、タイミングに合わせてアラートを出すような機能も活用できます。SFAツールを用いることで、営業タイミングのタイミングだけでなく仕事の優先順位づけや、スケジューリングなど、判断するコストの削減にも繋がります。
チーム全体の状況と数字を把握できる
SFAツールでは、個々のメンバーの行動や進行中の案件が、全てガラス張りになります。自分の行動や成績がチーム内でオープンになるのはプレッシャーではありますが、同時に全体の数字を意識して行動する動機付けになりますし、自分の数字が思わしくなければ「なぜそうなのか」を考えるきっかけにもなります。
SFAツールを用いることで、自分の状況だけでなく、全体の状況を各メンバーが把握でき、売上予算の調整や、ノウハウの共有を行うことにより、個人営業からチーム営業にシフトできるでしょう。
過去の営業活動を参考にできる
営業担当者が退職や異動で変更となった場合に、新しい営業担当者への引継ぎがうまくいかずに顧客との関係が途切れてしまうといったケースは珍しくありません。今まで顧客とどのような商談をしてきたのか、どのような商品・サービスを好んで買っていたのかなど、細かな情報が営業担当者のみしか把握できていない属人化した状況は、人事の変更で簡単に顧客との関係性が崩れてしまうのです。
そこで、SFAツールで活動履歴や提案履歴などのあらゆる情報を記録しておくことで、急な担当者変更にも慌てることなく対応できるようになります。たとえ商談の途中で担当者が変わっても、SFAツールの記録情報を元に新任の担当者が的確な提案を行えば、顧客の信頼度は向上し、確実に成約につなげることができます。
特に、新人営業マンが先輩から取引先や案件を引き継いだ場合は、先輩が忙しそうで質問することができない、引継いだ情報が少なくて不安を感じるといったことは多いでしょう。そのような場面でも、SFAツールに顧客の基本情報から過去のやり取りの全てが記録されていれば、新人営業マンはツールを参考にするだけで営業活動が可能となります。
SFAツールの導入を成功させるためのポイント
SFAは便利なツールですが、社内に定着させて効果的に活用していくためにはいくつかポイントがあります。ここでは、おさえておくべき4つのポイントをご紹介します。
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闇雲に導入しない
まず、現場がSFAツールの導入目的を理解していないと、ただ入力作業の手間が増えるだけで面倒だと感じ、社内に定着しないでしょう。漠然と「便利そうだから」という理由で安易に導入するのではなく、SFAツールを導入する目的を明確にすることからはじめるべきです。
また、具体的な導入目的が定まったら、SFAツールの導入によって達成したい目標も決めると良いでしょう。SFAツール導入前の商談件数、売上、業務にかかっている時間などを踏まえて、実現可能な範囲の目標を決めます。目標は具体的な数値でKPIに落とし込みましょう。
SFAは業務プロセスが可視化できるツールなので、KPIの達成度をリアルタイムで確認することが可能です。万一、SFAの導入によってKPIが達成できなかったとしても、営業活動を可視化できることで改善点が明確になるはずです。課題が分かることもSFAツールによってもたらされる効果の1つであるため、導入初期は結果を重視するのではなく、改善点が明らかになった、顧客との関係性が良くなった、などの数値化できない部分にも目を向けて活用していくようにしましょう。
自社に必要な機能を見極める
SFAツールは営業活動を強力にサポートしていくために、実に多くの機能が搭載されています。ツールによってどのような機能を搭載しているかは異なり、またユーザーインターフェースや操作性も異なります。SFAツールを選ぶ際に最も重要なことは、自社に合ったツールを選ぶということです。いくら優れた機能を有し、導入実績が豊富なツールでも、「機能が多すぎて使いこなせない」などの理由で社内に定着しない可能性があります。
まずは自社の課題や活用方法を洗い出し、そのうえで必要な機能を考えてみましょう。その際のポイントを2つご紹介します。
1つ目は、さまざまなデバイスに対応しているかどうかです。外出先からもSFAを閲覧したいのであれば、スマートフォン対応しているものが望ましく、移動の合間に日報や顧客情報の入力ができます。
2つ目は、名刺の一元管理機能を有しているかどうかです。名刺は営業マンがそれぞれ保管しているケースが多く、バラバラに管理していると気付かないうちにビジネスチャンスを逃してしまったり、重複してアプローチしてしまったりなどの機会損失やミスが起こりやすいです。SFAに名刺管理機能が備わっていれば、部署全体で情報を共有できるため、機会損失やミスを回避できて、案件の掘り起こしや引継ぎもスムーズに実施できます。
ご紹介した以外にも、SFAにはさまざまな機能があるので、自社に必要な機能を見極めてぴったりのツールを選ぶようにしましょう。
運用体制を整えておく
SFAは導入したら終わりではありません。社内に定着して使いこなしてもらうためには、運用体制を整えておく必要があります。単純にSFAへデータを入力してもらうことからはじめてしまうと、手間だけ増えてしまうと現場の反感を買ってしまう恐れがあります。
そこで、まずはSFAを活用した業務フローの見直しに着手します。現在の業務で課題に感じていることを、SFAを業務フローに組み込むことでどれだけ改善できるのか理解してもらうと、現場も納得したうえで積極的に活用してくれることでしょう。
直感的に操作できるツールを選ぶ
SFAはツールによって、操作性は大きく異なります。ベンダーから説明を受けて良さそうだからという理由だけで導入してしまうと、現場で実際に使ってみたときに使い方が分からない、思うような操作ができないといった不満が出てしまう可能性があります。
そこで、大切なことは無料トライアル期間を利用して操作性をチェックすることです。実際に現場でSFAツールを体験してもらい、業務で活用するイメージが持てるかどうか、使いづらいと感じる点はあるかなどを確認しましょう。
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SFAツールが営業を変える
SFAツールは、しばしば「行動管理ツール」と捉えられることがありますが、その本質は営業チーム内で状況やノウハウの共有を行い、PDCAを迅速に回すことです。Excelなどのスプレッドシートでも数字の管理は可能ですが、SFAツールを活用すれば、数字の管理のみならず、より容易にデータの蓄積・分析が可能になり、会議資料の制作も軽減化し、それこそ営業活動により多くの時間を割くことが可能になります。
そのことを認識した上で、個々の営業メンバー、そしてマネージャーがそれぞれの立場で有効活用すれば、チーム全体の営業力を底上げできるでしょう。
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