マーケティングで重要なペルソナとは?設定する意味や注意点を理解しよう

更新日:2024.02.19 / ビジネス戦略 

マーケティングで重要なペルソナとは?設定する意味や注意点を理解しよう
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マーケティング業界で働く人にとって、「ペルソナ」については知っておくべき基礎知識です。もしペルソナの意味がよくわからないようであれば、しっかりと学習し理解しておくことが望ましいでしょう。そこで、本記事ではこの機会にペルソナを学び直したい人に向けて、ペルソナの概要を紹介します。あわせて、設定する意味や注意点、設定するためのアプローチ方法などについても解説していきます。

ペルソナとはどういう意味か?

一般的にペルソナとは「仮面」という意味です。マーケティングにおけるペルソナとは、この考え方をさらに発展させた意味となってます。そこで、この段落では、ペルソナの理解を深めるために「ペルソナの語源・由来」「マーケティングでの意味合い」の2つの観点で解説していきます。

ペルソナの語源・由来

ペルソナ(Perusona)とは、もともとは古典劇で役者が使っていた「仮面」のことを意味します。加えて、心理学的な側面もある用語でもあり、心理学者のユングはペルソナについて「人間の外的側面・自分の内面に潜む自分」としました。また、ペルソナは「人」「人格」「劇や小説などの登場人物」を指す場合もあります。日常生活でも「イメージ」「心象」といった外的な側面を説明する場合に使われることがあります。ビジネスシーンにおいては「企業が販売する商品やサービスの象徴的なユーザーモデル」として使われています。

マーケティングでの意味合い

マーケティング業界では、もともとのペルソナの意味である「仮面の自分」を発展させ、架空のユーザーや人物モデルの意味で使っています。「年齢」「性別」「職業」「年収」「家族構成」といった定量的なデータだけでなく、「身体的な特徴」「性格的な特徴」「趣味」「価値観」といった定性的データも加えて、架空のユーザーモデルがあたかも実在するかのように設定していくのです。こうした架空のユーザー像であるペルソナの設定から、具体的なユーザー情報を分析し、ペルソナ像を定義していきます。そのうえで、ペルソナ像に有効なマーケティング施策を展開していくのです。

ペルソナと混合されやすい言葉に「ターゲット」があります。まず、両者は商品やサービスを利用するユーザー像を想定するという意味では共通しています。しかし、その人物像の分析について、ペルソナの方がより詳細になされるのが一般的です。ターゲットは「年齢」「性別」などの大まかな情報で特定のグループを設定します。一方、ペルソナは「家族構成」「価値観」といった詳細な情報まで作り込み、特定の一人の人物像まで設定するからです。

ペルソナはなんのために設定するのか

ペルソナを設定するメリットはさまざまです。たとえば、「担当者間で認識のズレをなくすことが可能」「ユーザー視点の精度を高める」といったメリットが期待できるでしょう。そこで、この段落では、ペルソナを設定する目的について具体的に解説していきます。メリットを理解することで、よりマーケティング施策に役立てるようにしましょう。

担当者間での認識合わせのため

商品やサービスの方向性を検討する場合、重要になるのがターゲット像です。ターゲットの設定が曖昧な場合、広報・サービス開発・営業などの担当者間で認識がズレてしまうリスクが出てきます。たとえば、ターゲットを「20代」「営業職」「趣味はゲーム」と設定したとします。「趣味はゲーム」という設定から「インドア派。ゆっくり楽しめるRPGを好む、おとなしい人物」をイメージする人もいるでしょう。一方、「20代の営業職」という設定から、「アウトドア派。対戦格闘ゲームが好きな活発な人物」という前述のイメージとは真逆の人物像をイメージする可能性もあります。広報・サービス開発・営業など、部署が違う担当者が増えれば増えるほど、こうしたことは起こりやすくなるのです。

こうした認識ズレを防ぐのが、ペルソナです。なぜなら、ペルソナは「身体的な特徴」「性格的な特徴」「趣味」「価値観」という詳細な定性的データまで具体的に設定するからです。そのため、担当者間で認識ズレを起こすリスクが少なくなります。ペルソナについてまとめた資料に目を通すだけで、どのような人物像をユーザーモデルにしたのかを、部署を越えて担当者同士で共有できるようになります。ちなみに、イメージや認識のズレはプロジェクトの人数が多くなったり、担当者が変更になったりする場合に起こりやすくなります。しかし、ペルソナを決めておくと、確認する作業時間や実施に関わるコストを削減し、円滑にマーケティング施策を展開することが可能です。

ユーザー視点の精度を高めるため

ペルソナを設定する際は多くの詳細なデータを使用し、ユーザーモデルを決めます。そのため、ペルソナは特定の人物に等しいといえるでしょう。となると、多くの人に受け入れてもらえる商品やサービスにならないのではないかと心配する人もいるかもしれません。しかし、いまやユーザーのニーズは多様化しています。そのため、従来のやり方では、本当にユーザーが求めているものが掴みにくくなっているのです。そのため、特定の人物のニーズを満たす商品やサービスを作り出したほうが、その裏に隠れている多くのユーザーのニーズを満たすことにつながるのです。また、開発担当者の意志や判断で商品を開発すると、思い込みや先入観によって誤った方向に進むリスクがあります。その点、ペルソナをしっかりと設定すれば、このユーザーモデルはどのような悩みを持っているのかといったユーザー目線で商品開発に取り組むことができるようになるでしょう。

自社の商品やサービスを売り出す担当者は、できるだけ多くの人に商品やサービスをアピールしたいと思うものです。しかし、ターゲットの設定を幅広くすると、結局、誰の心にも刺さらない商品やサービスになる可能性があります。商品をヒットさせるためには、完成度の高い商品やサービスを生み出す必要があります。そのためには、ペルソナによってユーザー視点の精度を高め、特定のユーザーが求めるものに集約することが大切なのです。

時間やコストのロスを防ぐため

各担当者は商品やサービスにこだわりを持っているものです。しかし、それぞれのこだわりのすべてを集約することは不可能に近い作業だといえるでしょう。担当者のこだわりを無理やり集約した場合、作業時間や商品開発に関わるコストが必要以上にかかってしまいます。その点、ペルソナによってターゲットにすべき人物像がはっきりすれば、担当者全員が同じイメージを持つことができ、プロジェクトの方針が明確になります。そうすれば、お互いのイメージ通りのアイデアが出せるようになるでしょう。その結果、成功するための効果的なアイデアを優先して採用しやすくなります。同時に、ピントのずれた意見が少なくなるため、意見をすり合わせるための時間やコストを減らすことができるでしょう。

担当者同士の話し合いで意見が衝突したり判断に迷ったりした場合は、ペルソナの人物像を再確認することをおすすめします。そうすれば、やり直す手間が減り、マーケティングに役に立つ施策を計画することが可能です。ちなみに、各担当者がペルソナをイメージしやすくする方法としては、ペルソナのイラストを作成して外見も作り出してしまうといったことが挙げられます。

ペルソナを設定する際、「できるだけポイントを絞り込む」「先入観や願望で設定しない」などの注意点がいくつかあります。そこで、この段落ではペルソナを設定するときの代表的な5つの注意点について解説していきます。次に挙げる点に気をつけるだけで、ペルソナの精度が上がることが期待できます。

作成に時間がかかる

ペルソナを設定する前に、自社商品やサービスのターゲットを細かく分析するようにしましょう。加えて、ユーザーに対してインタビューを行い、市場調査を実施します。こうした下準備を行ってからでないとペルソナを作成することはできません。そのため、ペルソナを作るためには、かなりの時間がかかります。ペルソナを設定することによって得られるメリットは大きいものですが、その際、必要になる投資は決して小さいものではないことを覚えておきましょう。

また、ペルソナは膨大なデータ量を統計して作成していきます。そのため、データの読み間違えが起こるリスクがあります。もし目的に沿っていないペルソナ像を設定してしまった場合、最初から作り直さなくてはなりません。そうなると、時間も手間もコストもかかってしまいます。マーケティング施策の実施が遅れてしまうリスクも出てくるでしょう。そのような事態に陥らないためにも、時間や手間を惜しんではいけません。慌てることなく正確に分析するようにしましょう。

できるだけポイントを絞り込む

ペルソナの設定とは、誰でも良いので架空のユーザーを1人作り出すというものではありません。自社の商品やサービスを使ってくれる代表的な架空のユーザー1人を作り出すものです。そのため、膨大なデータを1人にまとめるのは非常に難しい作業といえるでしょう。もしまとめることが厳しい場合、難しい点を省略して、ペルソナ設定に必要となるポイントを絞ることも大切です。ペルソナの原則は具体的な人物を想定するということです。そのため、あまりにもイメージが広がり過ぎると、原則から外れてしまいます。また、ポイントを絞り込む際、実在しそうな人物に設定するようにしましょう。そうすれば、詳細なニーズや行動パターンをイメージしやすくなります。

思い込みや希望で設定しない

ペルソナでありがちな失敗としては挙げられるのが、担当者の思い込みや希望で設定してしまうことです。ペルソナは数値で表すことができない部分があります。そのため、気をつけていないと、担当者の思い込みや希望を反映しやすいのです。ペルソナによっては、担当者のイメージとかけ離れたニーズを持っているケースがあります。そのため、思い込みや希望に引きずられないように注意するようにしましょう。

ペルソナを設定するには、まずは客観的なデータを確認しましょう。そうすれば、実際の状況に合わせたペルソナを設定することができます。ペルソナ設定のための有益な情報源としては、自社が持つデータのほか、SNSやブログ、インターネット上の口コミなどが使えます。

作成して終わりにしない

時間をかけてペルソナを設定すると、作成したことに満足してしまいがちです。しかし、そのまま放置してはいけません。というのも、設定したペルソナと、対象となる商品やサービスとミスマッチが生じる可能性があるからです。設定したペルソナで本当によいのかどうか、適切なタイミングで見直すようにしましょう。

また、ペルソナは実在する人物像をイメージして作られています。時間が経つと、作成したペルソナの置かれた環境(行動パターンや悩み)も変わってしまいます。そうなると、最初に設定したペルソナとのズレが生じてしまうのです。よって、設定したペルソナは定期的にブラッシュアップする必要が出てきます。ブラッシュアップは一度すれば終わりではありません。設定したペルソナでマーケティング施策を行っている間は、ブラッシュアップを継続して行うようにしましょう。

複雑すぎる人物設定にしない

ペルソナとは、大勢のユーザーの膨大なデータを基にして、一人の人物像を作り上げるものです。そのため、ペルソナの設定が複雑になりがちです。もちろん、ペルソナを設定する際、自社のターゲットとして欲しい要素が数多くあるでしょう。しかし、欲しい要素を全て入れ込もうとすると、マーケティングの方向性がズレてしまうリスクが出てきます。シンプルな人物設定を心がけることも大切なのです。本当に必要な情報を選ぶことで、できるだけシンプルなペルソナ設定を行うようにしましょう。

ペルソナを設定するためのアプローチ方法

ペルソナを設定するためのアプローチ方法は大きく分けると「自社の長所を分析」「ターゲット情報の収集」「ペルソナ設定の項目を選定」の3つです。そこで、この段落ではそれぞれについて解説していきます。ポイントを押さえることで、よりよいアプローチが可能になります。

自社の長所を分析

ペルソナを設定する場合に重要になるのは、あらかじめ自社の長所が何であるかをはっきりと押さえておくことです。なぜなら、ユーザーの心に刺さる商品やサービスを開発するためには、自社の長所を活かせる分野で勝負することが大切だからです。自社の分析をする場合は、3C分析のフレームワークを活用するようにしましょう。3C分析とは「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の頭文字を取ったビジネス戦略で、3つの視点から企業を分析することをいいます。市場や事業の現状を踏またうえで将来を予測し、どのようなマーケティングを行えばよいのか、その方向性がはっきりします。特に、競合である他社と自社の違いを明確にすれば、自然と長所が浮かび上がってくるでしょう。

ターゲット情報の収集

自社の長所の分析が終われば、次にターゲットの情報を集めていきます。「購買データ」「WEBアンケート」「競合他社の調査結果」などから、ターゲットの情報を集めましょう。ユーザーからの問い合わせ内容も役立ちます。

情報を収集するには営業担当者が最適です。というのも、顧客と直接やりとりする機会が多いからです。データを収集した後は、明確に数値で表します。ペルソナの作成の際、「大勢の人が使っている」といった曖昧な結論から進めると、間違いが起きやすくなるでしょう。ペルソナを分析したい事業が既存の事業ではなく、新たに立ち上げる事業の場合、自社の保有しているデータが使えません。そのため、情報収集は「インタビュー」「アンケート」「一般公開されたデータ」などを利用して行います。

ペルソナ設定の項目を選定

ターゲットの情報を集め終われば、そのデータをペルソナとして反映させていきましょう。その際、詳細に設定していくのがよりよいペルソナ設定のポイントになります。というのも、細かな部分まで明確に設定することで、どのようなユーザーが自社の商品を欲しがっているのか、的確に把握することが可能になるからです。的確にペルソナを設定できればできるほど、適切なマーケティング施策を行うことができるでしょう。

情報は大きく分けて「基本情報」「ビジネス情報」「ライフスタイル情報」の3つがあります。基本情報は「年齢」「性別」「住所」「家族構成」などです。「ビジネス情報」は「勤務先の業界」「企業規模」「職種」「年収」などです。こうした情報に加えて、「価値観」「現在の目標」「趣味」「よくアクセスするSNS・サイト」といったライフスタイル情報を用意することで、具体的なペルソナを作ることができるでしょう。ちなみに、覚えておいてほしいのが、前もってペルソナ設定の項目を準備したうえで、ターゲットの情報を収集する方法もあるということです。

ペルソナを設定すれば顧客に響く商品やサービスを生み出せる

多くの人から好まれる商品よりも特定の層に熱烈な支持を受ける商品の方が、結果的に大勢の人から共感されやすくなります。その際、有効なのがペルソナです。ペルソナの設定は簡単なものではありませんが、うまくいったときのリターンは大きいものです。正確なペルソナを設定するための重要な要素の1つとして、自社の顧客情報があります。顧客情報の管理に不安があるならジーニーが提供するGENIEE SFA/CRM(無料トライアル)をお試しください。

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