2017.10.04 / 営業管理のコツ 

顧客データベースから価値を生み出す方法とは?
企業活動に活かす顧客分析手法

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顧客に関する情報は、営業にとって大変重要な要素です。ですが、その情報をどのようにデータベースとして蓄積し、どの様に活用するべきでしょうか。そして、その重要性を認識し、実践している経営者がどれほどいるでしょうか?顧客情報をデータベース化し、分析・活用すれば、あなたのビジネスはより効率的に、さらに大きく育っていくのです。

今回は、顧客情報をデータベース化するメリットを考えていきましょう。

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営業マンの頭の中の情報をデータベース化する

顧客に関する情報の多くは、担当営業の頭の中にあります。これらの情報をデータベースに蓄積しておくと、どうなるでしょうか?

あるエステサロンでは、お客様の最終来店日をデータベースに入力しておき、「その後45日さらに90日が経過したところでメールやDMなどで来店を促す」という仕組みを採用しています。これは、「最後の来店から90日が過ぎると休眠顧客になる」というこの業界のセオリーに基づいたもので、データベース内のキーとなる情報と連動させた顧客掘り起こしの一例です。

あるイベント会社は、独自のイベントパッケージを開発し、「今期はこれをプレミアム商材として、重点的に売っていこう」という戦略を立てました。そこで、今期の売上状況だけでなく、プレミアム商材の売れ行きもリアルタイムで確認できるようにデータベースを設定し、状況を追跡しています。

このように、属人的になりがちな情報までもデータベース化しておけば、必要に応じてデータを抽出し、顧客の分析することで、ビジネス戦略に活かすことができます。これこそ、データベースが真価を発揮する場面でしょう。

ただし、ここで重要なのは、あくまで「戦略に合わせたデータベースを作っておく」、あるいは「データベースから戦略に必要なデータを抽出する」ということです。これが逆転してしまって、「データベースに蓄積された情報から戦略を立てる」というのでは、まさに本末転倒。ビジネスをあらぬ方向に導いてしまいますから、くれぐれも注意してください。

 

顧客情報をデータベース化する方法

前述した通り多くの場合、顧客の情報は営業担当者の頭の中になります。ここでは、営業担当者の頭の中にある顧客情報をデータベース化する方法をご紹介します。

Excel(エクセル)でデータベース化する

エクセルによる顧客情報のデータベース化は古くから取られている手法です。Excel(エクセル)は最も普及している表計算ソフトなので、誰でも簡単にデータベースを作ることができます。まず、会社名、部署名、役職、氏名、住所、電話番号など入力項目を決め、1行ずつ入力していきます。1行1件の原則を守り、後で並び替えやフィルター、検索がしやすいようにしておきましょう。

顧客情報が多くなって編集や入力がしづらくなった場合は、フォーム機能を使えば1件ごとの顧客情報の入力・確認が容易になります。

なお、エクセルでのデータベース管理はデータが大規模になると対応できないので、その場合は次の章でご紹介する顧客管理システムを使う方がいいでしょう。

 

顧客管理システムでデータベース化する

小規模の顧客管理ならエクセルで十分ですが、データが多い場合は顧客管理システムの導入を考えた方がいいでしょう。

顧客管理システムはCRM(Customer Relationship Management:カスタマーリレーションシップマネージメント)システムとも呼ばれており、会社全体での管理・運営に向いています。エクセルは小規模な共有しかできないのに対し、顧客管理システムでは複数の部門にまたがって一元的なやりとりが可能で、業務効率向上に役立ちます。

セキュリティ面でも堅牢な管理が行えるようになっており、情報の漏洩を防ぎます。

また、会社名や氏名といった定量的な情報に加えて、志向やニーズ、購入実績、予算、時期見込みいったとことも属性として管理することもできます。

 

データベースマーケティングとは?

顧客の属性やアンケートの回答結果、購買履歴などをデータベースに入力し、その情報から自社の商品やサービスに興味を持ちそうな顧客を抽出して、マーケティングの効率向上を図る手法をデータベースマーケティングと呼びます。具体的には、顧客のニーズや志向を分析して、個々の顧客ごとにカスタマイズしたアプローチをすることによって受注確度を上げる手法のことをいいます。

この手法は、顧客は自分の嗜好にあった情報を得ることができ、企業にとっては顧客と長期的な関係を維持することができます。そのため、新規顧客開拓よりも過去に取引のあった既存顧客の関係醸成によって、顧客生涯価値(LVT)を高めたい場合に有効な手法です。IT技術の進歩と普及により、データベースを蓄積・分析して活用するマーケティングを採用する企業は年々増加傾向にあります。

 

データベースマーケティングを行うメリット

データベースマーケティングを行うことによって顧客ごとに最適な営業展開をすることができ、営業効率が向上するほか、人的コストの削減、機会損失の防止といったメリットがあります。ここでは、それぞれについて詳しく解説します。

 

「本当に利益を生む顧客」の属性が明確になる

顧客データベースを分析すると、「高い利益を生む顧客の属性」を知ることもできます。これは、その後の営業戦略を策定していく上で、非常に大きな要素です。

ITエンジニア専門の派遣会社が、あるとき自社の顧客分析を行っていました。データベースの積算集計機能を使い、過去から現在までの累計売上を顧客ごとに集計してみたのですが、案件一件あたりの売上が極めて高い顧客は皆、「自社プロダクトを持っている会社」だと分かったのです。

自社プロダクトを持っている会社は、長期にわたる開発を経て、その後も改良・改善を続けることになります。そのためエンジニアの派遣契約期間が長く、数十ヵ月に及ぶことも珍しくありません。一方、自社プロダクトを持たない受託請負の会社は、人手が足りなくなるプロジェクトのピーク時期だけを派遣で補うため、契約期間の多くは3ヵ月ほどになります。

つまり、派遣会社からすれば、「自社プロダクトを持っている顧客こそが、多くの利益を生み出してくれる顧客だ」ということが分かりました。優良な顧客の属性が明確になったのです。

 

人的コストを削減できる

データベースマーケティングを導入することで、より合理的・効率的に顧客との接点を構築することができます。例えば、顧客データを業界や役職、年齢、性別などの属性ごとに分けてアプローチしたり、あるいは過去に資料請求のあった人にだけメールを送信したりすることで、人的コストを抑えて効率良く営業活動ができます。

また、自社の製品やサービスのことを知らない、もしくは興味がない顧客に営業を行うよりは、過去に興味を持ったり、購入をしたりしたことのある顧客に営業を行った方が効率良く受注につながります。

さらに、顧客ごとのステップや取引数に応じて営業活動費を配分することによって、営業コストの効率的な運用ができます。データベースマーケティングでは、取引数の多い顧客と属性が似ている人を選び出して営業活動を行うことで、不特定多数の人にやみくもにアプローチするよりも受注確度が上がり、少ない労力で成果を上げることができます。

 

機会損失を防止できる

データベース内に登録されている顧客は、自社の製品やサービスに興味を持っている可能性が高い有力な潜在顧客です。興味の程度は顧客によってさまざまですが、接触した段階では情報収集が目的であったとしても、継続的に接触しフォローを続けることによって顧客のニーズが具体化した時に競合他社へ流出するという機会損失を防止できます。

顧客との関係を醸成し、自社の継続的なユーザーとして保持するためにはデータベースのどのデータを活用するのかを明確にする必要があります。そうでないとマーケティングの戦略が立案できません。機会損失を防止し成果を上げるためには、自社の製品やサービスを繰り返し利用する顧客の行動やニーズを分析することがマーケティング上で効果的です。

 

データベースマーケティングのポイント

ここでは、データベースマーケティングのポイントを3つご紹介します。

 

「理想の顧客」を定義する

売上をより少ないコストで効率良く獲得するには、自社と相性の良い特性を持った「理想の顧客像」を定義し、そこにリソースを集中することです。では、理想の顧客像とはどの様な顧客でしょうか?顧客データベースを基に、顧客分析を行えば、答えは見つかります。

ある清掃サービス会社は、おもにガソリンスタンドの清掃業務一般を請け負っていました。これまでは特に考えることもなく、どんなガソリンスタンドにもやみくもに営業をかけていました。ところが、契約後の実績を見ると、数ヵ月で契約終了になるケースと、長期にわたって継続しているところと、きれいに二極化していました。この差はいったい何でしょうか?

データベースに入っていたお客様のコメントを分析してみると、長期契約の顧客はこの会社が提供している「24時間対応」という点を評価していることが分かりました。つまり、お客様はこの清掃会社に対して、「いつでも対応してくれる安心感」に価値を見いだしていたのです。

それ以降、この清掃会社では価格競争に背を向け、お客様の安心感をより高める方針に転換しました。それこそが自社の強みだと分かったからです。同時に、営業ターゲットもそうした価値を求める層に絞ったところ、長期契約の比率を大きく伸ばすことができました。

まず、顧客データベースの分析から自社の持つ強みを見つけ、それにマッチする「理想の顧客」を定義します。単なる顧客のニーズだけでなく、そのクライアントが持つ社内文化や価値観までも踏まえた分析・検証を行えば、その姿はより明確になるでしょう。その比率が高まれば、ビジネス効率も飛躍的に高まります。そして、こうした「理想の顧客」を定義するためには、情報が蓄積されたデータベースの丁寧な分析が非常に強い力を発揮してくれるのです。

 

顧客データの鮮度を保つ

データベースマーケティングで大切なポイントのひとつとして、顧客データの鮮度を保つことが挙げられます。顧客データは時間の経過と共に変わっていきます。例えば名刺には部署や役職が記されていますが、人事異動や組織変更があれば当然データは変わってきます。正しい情報に基づいてアプローチしないと費用対効果は上がりません。

顧客データの鮮度を保つためには、顧客のデータベースに情報をインプットする際に最新の情報を取り入れると共に、適宜変化する情報を最新のものにすることが必要です。データベースシステムを提供する企業の中には顧客データを最新の情報と照らし合わせてアップデートしてくれるサービスを提供するものもあります。

 

社内の運用ルールを徹底する

データベースマーケティングを成功させるためには、運用ルールを徹底することが必要です。データベースマーケティングは優れた手法とはいえ、毎日のように増えたり変わったりする顧客情報を更新して常に最新の状態を保つためには、社内の協力が欠かせません。

例えば、営業担当者が新たに面会した顧客の名刺情報を入力してくれなければデータベースが更新されませんし、商談の内容を入力してくれなければ属性のセグメントに抜けが生じ、適切なタイミングで最善のアプローチをすることができなくなります。したがって、現場の最前線で営業にあたる人やその上司にデータベースマーケティングの有効性を理解してもらい、協力を募ることが必要です。

 

まとめ

このように、多くの情報が蓄積されたデータベースを分析することで、ぼんやりと存在する仮説に明確な根拠を与え、ビジネスの効率化に踏み出すことが可能です。それこそがデータベースに眠っている大きな価値なのです。データベースは、顧客数や職種が少なければデータベースはExcelでも構築は出来ますし、規模がある程度大きいのであればCRMツールの導入を検討しても良いと思います。データベースは蓄積の方法さえ間違えなければ、方向を示してくれる羅針盤になります。

ただし、こうした流れを実現するためには、世の中の激しい変化に対応できる柔軟なデータベースツールと、その結果をもって決断するリーダーシップが不可欠でしょう。

 

SFA/CRMちきゅう

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